営業戦略を考えるにあたり、自社を取り巻く環境を正確に把握し、自社の強み、弱みを明らかにする必要があります。
それに効果的なのが、フレームワークですが、この3C4P 分析は、そのフレームワークの一つです。
正しい成功要因を導き出すために、効果的な3C4P分析とは、どういったものか、そのポイントを解説していきましょう。
3C4Pの概要
複数のフレームワークを連携して活用し、より精度の高い戦略を立てることができれば、自社の強みや弱みも明確になるでしょう。
3Cとは、
「市場、顧客」Customer、
「競合」Competitor、
「自社」Company、
について分析するフレームワークです。
また4Pとは、
「商品、製品」Product、
「価格」Price、
「流通、立地」Place、
「広告、宣伝」Promotion、
の4つについて競合他社と比較し、優位点があるか、どのポイントで劣っているかを分析できるフレームワークです。
この2つのフレームワークを連携させることで、より精度の高い戦略を考えることができます。
3C分析とは?
3C分析を使うことで、自社をとりまく市場環境をきちんと把握することができます。
そのうえで、自社にとって何が課題化を適切に解決する営業戦略を導き出せます。
この3Cは、「市場、顧客」を表すCustomer、「競合」を表すComputer、「自社」を表すCompanyの頭文字をとったものです。
一般的に、分析をするというと、いろいろなデータを膨大に集め、その中から多くの時間と労力をかけて分析を行うのですが、この3C分析では、顧客、競合、自社という重要なポイントに絞ってシンプルに分析を行うことができます。
3C分析のポイント
営業戦略を立てるために一番大切なことは顧客です。
顧客が何を求めているのか、それを知ることができれば、商品は確実に売れて利益も出せます。
自社の商品やサービスを、どのような人が購入しようとしているのか、市場について分析し、正確に把握することが重要なポイントです。
具体的には、次のようなポイントを分析します。
・見込み客の年齢、性別、住所、ライフスタイル
・見込み客のニーズ
・現在の顧客数や地域構成
・現状の市場規模と将来性
次に、競合先について分析をします。
ライバル会社が存在しないということはほとんどありえません。
そのライバル会社も様々な戦略を立てていますので、分析することは大切なポイントです。
具体的には、次のような分析をしていきます。
・ライバル会社はどの企業か?
・ライバル会社は何社いるのか?
・ライバル会社の業績
・ライバル会社商品の強み、弱み
・ライバル会社の強い地域は?
・ライバル会社の今後の動向は?
最後に、3C分析で1番の目的である、自社についての分析です。
自社が現在どのような強みや弱みがあるのか、経営資源や業績について分析し、自社の課題を発見し、今後の戦略を立てていきます。
具体的には、次のような分析をします。
・自社のビジョン
・自社の売上高、収益性、顧客数、販促ルートは?
・自社の営業人員や生産能力は?
・自社の商品、サービスの強みと弱みは・
・自社が強い地域、そうでない地域
・今後の戦略は何か?
3C分析の具体例
3C分析の成功事例として、スターバックスを紹介していきます。
スターバックスが日本に上陸したのは1995年。
3年後には、100店舗へと急成長。その後本格的に展開し、現在では1000店舗を超える大コーヒーチェーン店です。
今では多くのコーヒーチェーン店が存在します。
その中でも、バックスの躍進は圧倒的なものです。
まず、スターバックスの強みと弱みを分析すると、強みでは、
・おしゃれ
・高級感がある
・居心地がいい
・スタッフのサービスが良い
弱みでは、
・庶民的でない
・高い
と分析できます。
また、競合他社に目を向けると、
「ドトール」
庶民的でリーズナブルな価格設定がポイント。高級感があるスターバックスとは、正反対の位置に存在している。
「タリーズ」「エクセルシオールカフェ」
スターバックスの日本上陸の数年後に出店したこの2社ですが、当初からスターバックスと同じ路線を行くコーヒーチェーン店でした。
しかし、世間的には、他社との違いをスターバックスまでは感じさせきれていないようです。
最後に、顧客のニーズや不満へはどう対応しているかです。
アンケートで、スターバックスを好きなカフェと答えたお客様の理由が、「おしゃれ」「高級感がある」「サービスがいい」という回答が多く、独自のポジションに位置することで、圧倒的な支持を得て成功したといえます。
特に、予想外だったのが女性客からの支持ということを言われています。
先ほど挙げたスターバックスの独自性は、それまでのたばこの煙が充満しているようなお店とも一線を画しており、この点が女性に受け入れられることとなり、他社が獲得できなかった新たな顧客層から拡大することに成功したといえます。
4P分析とは?
4P分析とは、先ほど紹介した3C分析と同じように、4つの視点で、市場を分析することで、課題や強みを発見して、戦略的に施策を考えることができます。
別名、マーケティングミックスと呼ばれます。
その4つとは、
「製品」を表すProduct、
「価格」を表すPrice、
「流通」を表すPlace、
「プロモーション」を表すPromotion、
となります。
この4つの視点から、市場を分析していきます。
4P分析のポイント
こちらも3C分析と同じですが、4P分析においてのポイントも、お客様目線で物事を考えることです。
お客様にとって、価値ある製品やサービスを企画、開発することを目的に市場の調査や分析を行っていきます。
まず最初に、製品についてです。
具体的なポイントを上げると、
・お客様が商品やサービスに求めることは何か?
・売れている他社の商品やサービスは何か?
・自社の商品やサービスは何にするか?
・商品やサービスの企画、開発、仕入れはどうするか?
次に、価格についてです。
商品やサービスを、いくらで提供するのか、価格戦略はとても重要です。
元々、商品やサービスの適正化価格というものは存在しません。
様々な調査によって、お客様が納得して購入でき、なおかつ企業が利益を出せる価格が適正な価格になります。
それを分析するためのポイントを上げると、
・お客様が価値を感じるに値する価格帯であるか?
・ターゲット市場に対し商品やサービスの価格は適正か?
・競合他社と比べて魅力的な価格であるか?
・コストに対して採算がとれる価格であるか?
3つ目に流通についてです。
商品やサービスをどのような流通戦略で販売していくか、お客様のもとに、円滑に届けるための販売場所や流通経路を分析します。
どのような視点で分析するかというと、
・お客様はどこで商品やサービスを見つけるのか?
・商品やサービスをどこで販売するか?
・誰が商品やサービスを売るか?人、ネット、広告など
・競合他社の販売戦略は?
・競合他社との差別化は何か?
最後に、プロモーションについてです。プロモーションとは、どのようにして世の中に商品やサービスを認知してもらうのかということです。
どんなに素晴らしい商品やサービスも、その存在が世の中に知られないと、存在しないのと同じになってしまいます。
どのような広告方法で、認知度を高めるのか、より多くの見込み客に知らせ、ニーズを喚起する広告施策を分析します。
現代は、いろいろな広告媒体が存在するため、目的により、それらを使い分け、特性に合ったプロモーション戦略が求められます。
・商品やサービスを求めるお客様にどうやってお知らせするか?
・どの媒体を利用するのか?
・費用対効果のある広告宣伝は何があるか?
・競合他社はどのようなプロモーション戦略をとっているか?
・誰が、いつ、どのように販売促進を行うか?
4P分析の具体例
4P分析の成功事例として、ユニクロの4Pを解説していきましょう。
まず、「製品」について。
ユニクロは、これまでのイメージであった、「低価格、そこそこのデザイン、そこそこの品質」から脱却し、「低価格、高品質、洗練されたデザイン」へと進化し、それらに加え、優れた機能性を盛り込んだ製品を開発しています。
ロングヒット商品である、ヒートテックや高品質デニムが良い成功事例といえます。
「価格」についてユニクロは、海外進出した際、日本の価格基準でレート計算し、どの国でもほぼ同じ価格で販売しています。
そのため、国によっては、高級ブランドのイメージも持たれています。
「流通」については、2005年ごろから、海外店舗の出店のペースを早め、海外でも約600店舗と、多店舗展開によって、世界中でブランド価値を高めています。
世界中でブランディングを行うことで、「安くて質が良い服」という位置づけに成功しているといえます。
最後に「プロモーション」についてですが、ユニクロは、その時期に一番売りたい商品を絞り、メディアを駆使したクロスメディア戦略を展開し、大きな成功を収めています。
ユニクロは、定番商品の着やすさをアピールすることに重点を置いており、どのプロモーションでも、動きが見られるものが多く、テレビCMでは特に、動きが印象に残る作りになっています。
まとめ
営業戦略を考える上でのフレームワークである、3C4P分析をそれぞれ紹介しましたが、いかがでしたか?
どのような商品やサービスが、お客様に求められるかどうかは、この変化の早い現代において、分析して検証するという一連のプロセスが必須となります。
テンポよくスピード感をもって戦略を立てて実行するためにも、ポイントと絞ったフレームワークがとても効果的だと思います。
ぜひ、今回紹介したポイントを参考に、分析から戦略の立案までを実践していただけたらと思います。
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