「自分には関係のない話」
最近話題になっている詐欺事件を見て、きっとあなたはこう思っているはずです。
実際に、詐欺に遭った人は、誰も自分が詐欺に遭うとは思ってないでしょう。
近年、SNSが普及したことで、若い世代の人が詐欺に遭ったり、詐欺だと知らずに友達に詐欺師を紹介したり、その被害が拡大している現状があります。
巧妙な手口で襲ってくる詐欺師たちに、私たちはどう対応すればいいのでしょう?
「詐欺に遭ったかな?」
そう思った時に、取るべき行動について解説しましたので、チェックしてみましょう。
投資詐欺に遭ったらまずやるべき3つ
一昔前は、「オレオレ詐欺」「振り込め詐欺」など、高齢者を狙った犯行が多かったですが、今では、若い人たちからの相談件数が増えているといいます。
こうした増え続ける投資詐欺ですが、万が一私たちが詐欺に遭った時に、まず頭をよぎるのは、「お金は戻ってくるのか?」でしょう。
詐欺被害を回復させることが可能な、法的手段はあるものの、早急に対応しないと、詐欺師に逃げられてしまう恐れがあるのが、正直な現実です。
そこで、万が一詐欺に遭った際に、すぐにとるべき行動についてご紹介します。
一つ目は、「これ以上お金を払わないこと」です。
実に巧妙な手口を使ってくる詐欺師ですが、詐欺だとわかった際にも、「今まで支払ったお金を返すからお金を支払え」といったこともあり得ます。
詐欺に遭ったら、冷静な判断をできなくなることもあります。
定期的に支払うことになっているのであれば、引き落としをストップしたり、金融機関に連絡するなどの対応をしましょう。
二つ目は、「証拠を残す」ことです。
後々法的手続きを取る際にもそうですが、詐欺であることの根拠が解説です。
証拠がないと、警察やその他関係機関は動いてくれません。
支払い状況や、相手の個人情報など、これまでのやり取りがわかるものなどは、すべて残しておくようにしましょう。
もし、ネットを利用した詐欺の場合は、問題のある画面のスクリーンショットを、保存しておくことをお勧めします。
三つ目は、「連絡を絶つこと」です。
詐欺師との関係は絶対に断つべきです。
もし、詐欺を暴こうと、こちらが躍起になると、詐欺師はさらに追い詰めてくる可能性もあります。
人によっては、詐欺師の言葉巧みな誘導で、さらに被害にあることもあるため、注意が必要です。
投資詐欺の相談窓口3選
では実際に、投資詐欺に遭った際に、相談するべき窓口はどこがいいのでしょうか?
頭をよぎるのは、「警察」へ被害届を提出することかもしれません。
しかし、被害届を提出しても、被害額が少ない、犯人不明、証拠がないなどの理由で、対応してもらえないケースもあります。
そういうことを考えると、実際に相談に乗って、トラブル解決を図ってくれる場所は、証券・金融商品あっせん相談センター「FINMAC」でしょう。
このFINMACは、金融庁や法務省の認証を受けた、指定紛争解決機関です。
株・投資信託・FXなどの、金融商品にまつわる様々なトラブルの苦情や相談を受け付けています。
専門の相談員や弁護士のあっせん委員が、公正・中立な立場で、金融商品取引トラブルの解決を図ってくれます。
解決手段は、裁判ではなく和解による解決を目指すため、コストもそうかからずに、問題解決を進めることができます。
ただ、被害額が大きかったり、被害者が多い、組織的な詐欺グループの場合は、弁護士への相談を行うことになるでしょう。
専門家の判断により、トラブル解決に向けて、様々なアプローチも可能です。
具体的には、詐欺相手の調査や特定証拠集め内容証明郵便での被害金請求詐欺愛艇の預金口座凍結民事訴訟刑事告訴などが可能です。
ただ気を付けないといけないのは、弁護士費用が掛かるということです。
実際に被害額を回収できないケースもあるため、回収できる見込みが少ない場合は、マイナスになることもあります。
弁護士に相談する一番のメリットは、自分自身のストレスを軽減できることにあります。
ゼロにはできませんが、時間的、労力的負担を減らすことや、解決に向けてすぐに行動できることが、弁護士に依頼するメリットだといえます。
被害金を回収する方法
最終的に、被害に遭ったお金を少しでも回収したいということが、投資詐欺に遭った人の願いだと思います。
被害に遭った人がよくしてしまうのは、犯人と直接交渉することです。
ただ、犯人は詐欺行為とわかって行っているため、だまし取ったお金を返金することはありません。
逆に、時間がたてばたつほど、返金を受けられる可能性は低くなるため、自分で交渉することはやめて、すぐにでも専門機関へ相談すべきです。
自分自身でできるケースというのは、クレジットカードの不正利用などです。
インターネットなどで買い物をする際、購入したものが届かないなどの、トラブルが発生するケースが増えていますが、チャージバックという制度で、そういったトラブルを防ぐことができます。
不正理由などの理由で、クレジットカードを保有する人が、利用代金の支払いに同意しない場合に、クレジットカード会社が、不正利用代金の支払いを取り消し、返金してくれるというものです。
クレジットカード決済による詐欺被害の場合は、すぐにクレジットカード会社に連絡しましょう。
また、振り込め詐欺による被害回復のために、「振り込め詐欺救済法」というものもあります。
不正利用された銀行口座を凍結させ、その口座の残高を上限として、被害回復分配金の支払いを受ける方法です。
ただこれは、犯人が預金口座から、お金を引き出してしまっている場合は、残高がないため、被害回復分配金の支払いを受けることができません。
いずれにしても、自分自身で何とかしようとせず、専門機関にすぐに相談することが大切です。
まとめ
今なお報道される詐欺事件の数々ですが、この増加し続ける投資詐欺の被害は、犯人を逮捕すること以外には方法はありません。
ただ、被害者が相談や申し立てをせず、返金のための行動を諦めてしまい、泣き寝入りしてしまうと、犯人逮捕まではたどり着きません。
いきなり弁護士へ、相談することを躊躇する場合は、費用をかけなくても相談できる窓口や、返金のための対応策はありますので、活用することをお勧めします。
まずは、投資詐欺に遭った際にどういう行動をとるべきか、改めてチェックしてほしいと思います。
ライター馬込 八寛
生命保険、損害保険業界を約15年経験した後、お客様にとって最適な金融商品を提供するため、IFA(独立系金融アドバイザー)へ転身。「資産を1円でも多く増やすためのアイデア」を一人でも多くの人へ伝えるために、日々奔走。来年から始まる高校での授業「投資教育」にて教壇に立つことを目指している。
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