投資において、大事なことの一つに、自分に合ったポートフォリオを組むことがあるといわれます。
しかし、果たしてそれを実践している人は、どれくらいいるのでしょうか?
こう思うのは、資産運用で成功した人の、その手法は様々だからです。
株式投資だけで財を成した人もいれば、きちんとポートフォリオを組んで、資産運用で成功した人、正解はないように思います。
ただ、何事も基本的なことは、抑えておいた方がいいでしょう。
この投資のルールを抑えたうえで、自分なりに、ポートフォリオは必要か、必要であればどうすべきか、考えてみましょう。
特に、資産運用を始めたばかりの人には、学びの一歩にしてもらえると嬉しいです。
投資の基本とは
まず、
「ポートフォリオとは何か?」
を理解するためには、投資のルールである、
「長期」「積立」「分散」
を知ることから始まります。
特に、
「長期」
というのは、基本中の基本です。
なぜならば、資産運用は長く続けることが、一番のリスクヘッジとなるからです。
特に、株式投資となると、短期的な株価の推移を見て、勝ち、負けを決めることは、絶対にやってはいけないことです。
過去のデータを見ても、株式投資は長期間続けることで、損をする可能性も低くなると実証されています。
次に大切なのは、
「分散」
するということです。
分散といっても、投資する時間を分散するための「積立」という意味もありますし、資産の分散、地域の分散と、
「分ける」
ということが需要です。
資産運用の勉強をすると、
「卵をひとつのかごに盛るな」
という格言が、出てくると思いますが、要は、リスクを減らすための工夫が、この分散という手法によって可能になるわけです。
ですので、ポートフォリオを組む理由は、リスクを軽減するためと言えるでしょう。
自分がどれくらいのリスクをとれるかで、そのポートフォリオの内容も変わります。
ですので、正解はないと言ってもいいでしょう。
投資に回したお金が、すべて無くなってもいいと思うのであれば、積極的なポートフォリオを組んでいいでしょうし、そうでない場合は、リスクを限りなく軽減できるものに、すればいいというわけです。
株式と債券の関係と役割
ポートフォリオを組むとは、金融資産の種類を分けて保有するということを指します。
その金融資産も、種類は様々ですが、その代表格は、「株式」と「債券」でしょう。
簡単にですが、この二つのポートフォリオを、どう使うのかについてお伝えします。
「株式」は、リスクも高いがリターンも高いものとして、より資産を増やしていきたい場合に、多く組むことが多いです。
一方「債券」は、ローリスクローリターンです。総資産は増えなくてもいいけれども、そこからの配当を受け取れるということで、使われることが多いです。
ポートフォリオを組む場合、より高い収益を狙いたいが、株式の高いリスクを少しでも和らげるために、債券を少し入れてみる。
こういった組み方をしていきます。
そうすることで、リターンは少し低くなりますが、リスクも軽減されることで、より安心して資産運用出来る、という形になります。
このように、ポートフォリオは、自分がどれくらいのリスクを許容できるか、が一番のポイントです。
ポートフォリオの参考例
実際に、私たちの周りには、大きなお金を資産運用している機関があります。
それらの機関が、どのようなポートフォリオを組んでいるか、参考までにまとめてみましょう。
一つ目は、私たちの年金を運用している、
「年金積立金管理運用独立行政法人」いわゆるGPIFのポートフォリオです。
この機関では、株式と債券を50%ずつ組み入れています。
詳しくは、
外国株式25%
国内株式25%
外国債券25%
国内債券25%
という形です。
このGPIFは、2001年から運用を開始し、これまでなんと、101兆6787億円の収益を上げています。
収益率は、+3.56(年率)です。
確かに、リーマンショックをはじめ、様々な金融ショックをうけてはいますが、ここまでの成果を出しているのは、驚きかと思います。
この公的年金のポートフォリオを、初心者の参考にする人もいますが、実際は、自分がリスクをどれだけとれるかが大切です。
例えば、積極的にリターンを狙いたい人は、より株式の割合を高くする方がいいでしょう。
そして、株式の中でも、値動きの大きい先進国の株式や、新興国の株式を組み入れることで、それが可能になります。
逆に、リスクを抑えた資産運用をしたい人は、価格の変動が小さい債券を主に組み入れます。
中でも、国内債券を中心に入れることで、それが可能になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
投資を始めたばかりの方は、一体何から始めたらいいの?と思うかもしれません。
ただ、いろいろな情報に振り回されていては、自分が目指す目標や、収益に届かない可能性があることを、知ってほしいと思います。
投資は、基本的には自己責任です。
多くのメディアで書かれているものは、一般的な情報しかないことがほとんどです。
より自分の目指すべきものへ、近づけるためには、情報を鵜呑みにしないことも、大切ではないでしょうか?
ライター馬込 八寛
生命保険、損害保険業界を約15年経験した後、お客様にとって最適な金融商品を提供するため、IFA(独立系金融アドバイザー)へ転身。「資産を1円でも多く増やすためのアイデア」を一人でも多くの人へ伝えるために、日々奔走。来年から始まる高校での授業「投資教育」にて教壇に立つことを目指している。
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