アベノミクスが私たちに与えた影響は、たくさんありますが、その中でも物価上昇率2%を継続させることは、より強調して行われている政策です。
エネルギー価格の高騰や、原材料費の高騰で、さらに輪をかけて物価上昇が起きています。
この状況下で、対策として何をしたらいいのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
日本政府が掲げる金融緩和策は、今後も継続して行われるようです。
金融緩和策とは何か?私たちがとるべき行動とは何か?
将来のお金の不安を解消するためにも、金融緩和策をどうとらえるべきか、一緒に考えていきましょう。
金融緩和策の目的
2023年1月の政策委員会・金融政策決定会合で、「2%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に維持するために必要な時期まで、長期金利操作付き量的・質的金融緩和を継続する」という旨の発表をしました。
これは、具体的には、政策金利の引き下げを維持すること、ですが、他国の中央銀行が利上げするのに対して、真逆の政策をしているということで話題になりました。
日本銀行が利上げをしない理由は、他国とインフレ動向の違いが大きな理由です。
アメリカなどは8%を超える、物価上昇率を記録しているのに対し、日本ではまだまだ2%ということで、継続的なインフレが続く環境にはない、との判断からでしょう。
アメリカなど他国を見てみると、インフレの上昇率と同時に、賃金の上昇も起きています。
そのため、利上げしても景気が悪くならない傾向がありますが、日本においては、インフレは進みますが、それに伴う賃金の上昇は見られません。
この賃金の上昇がみられない中でのインフレは、需要の衰退につながり、再び景気を後退させるリスクがあります。
このような理由から、まだしばらくはこの金融緩和策は、継続すると予想できるでしょう。
投資家が知るべき金融緩和策の影響
金融緩和策は、今後しばらく続き、利上げをしないということでした。
インフレをまだまだ継続させたいとの理由ですが、そういう環境下において、私たちが得るべき投資行動はどういうものでしょうか?
結論から言うと、長期視点で分散投資するという、基本的ルールを崩さないということです。
金融緩和策が継続されるとはいえ、いつその政策が変更になるかわわかりません。
そういった周りの環境を注意深く観察していくことは、とても大切です。
でも、だからと言って基本的な投資行動は変えてはいけません。
私たち日本人の最大の問題は、金融資産の大半が、預貯金などの円資産に集中しているということです。
それでいては、金融緩和策の影響を受けてしまって、インフレに負けない資産を作ることは、ほぼ不可能です。
インフレに負けない資産とは、どういうものか、それはどこに投資すれば可能になるのか、私たちは再度考え直す必要があります。
金融緩和策下での投資方法
日本政府が警笛を鳴らしている、私たちの金融資産の現状として、現預金がその大半を占めていることが挙げられます。
私たちは銀行などにお金を預けていますが、そのお金は何に使われているかご存じでしょうか?
銀行は、最終的に私たちへ利息を払うために運用しています。
その方法として、個人や企業への融資、そして、国債などの購入があります。
つまり、私たちは銀行への預貯金を通して、国債で運用していることになります。
日本政府が警笛を鳴らしているのが、この国債による資産運用では、インフレに負けない資産づくりは難しいということです。
さらに、今後金融緩和策が変更になり、金利が上昇するということになると、国債の評価は下がることになります。
こういうことも含めて、私たちは、どう資産運用していくかを考える必要があります。
一般的に、インフレ内負けない資産としてあげられるのは、株式、外貨建て資産だと言われます。
こう考えると、海外の企業への株式投資というのは、私たちの投資行動として、まず考える必要があると考えられます。
もちろん、日本国内にも優良な企業はあります。
ですので、株式投資、外貨建て資産という枠で、考えられる投資先を選んでいくといいでしょう。
まとめ
私たちの環境は今後も常に変化し続けます。
しかし、だからと言って投資方法を変える必要はありません。
資産運用において、最も大切なことは継続することです。
まずは、資産運用をスタートすること、そして、どのような状況になっても続けることで、私たちの将来はより明るいものになると思います。
ライター馬込 八寛
生命保険、損害保険業界を約15年経験した後、お客様にとって最適な金融商品を提供するため、IFA(独立系金融アドバイザー)へ転身。「資産を1円でも多く増やすためのアイデア」を一人でも多くの人へ伝えるために、日々奔走。来年から始まる高校での授業「投資教育」にて教壇に立つことを目指している。
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