「お金に不自由しない生活をしたい!」
「自分のお金を増やしたい!」
「楽して稼ぎたい!」
このような願望を、誰しも少しはもっているかもしれません。
しかしながら、このようなことは、基本的にはないと思った方がいいでしょう。
生まれながら、裕福な家庭に生まれ育てば、お金はたくさんあるかもしれませんが、それを使えるだけの金融リテラシーがなければ、あっという間に、それらのお金は消えてなくなるでしょう。
世の中には、このような誰にでもある「お金に対する欲」を利用して、詐欺を働く人がいます。
近年増えている投資詐欺もその一つ。
私たちは、お金を稼いだり、増やしたりする勉強は、良くしがちですが、このお金を守るという学びは、少ないような気がします。
資産運用詐欺の手口や、詐欺にあわない対処法を知り、自分の大切な資産を守る知識を増やしていきましょう。
投資詐欺の実例
今から約10年前、
「AIJ投資顧問による年金資産消失事件」
があったことをご存じでしょうか?
企業年金から運用受託していた、約2000億円の大部分が消失。長期に渡って、高い運用収益を上げているとの、虚偽の情報を顧客に伝え、実態を隠していたというものです。
つい最近では、元郵便局長が、知人などから多額の現金をだまし取った、という詐欺事件も発生しています。
在籍中の約25年に渡り、
「利率のいい特別な貯金がある」
などと、架空の預貯金や保険料の名目で、お金を集めていたといいます。
このように、投資詐欺は実に巧みなもので、大きな企業も見抜けないケースもあります。
また、投資詐欺は企業だけでなく、私たち一般人が合う可能性もあり、注意が必要だといえます。
どのような手口で、詐欺師が近寄ってくるのか、パターンがあるようですので、確認してみましょう。
投資詐欺の手口と商品
近年増えている投資詐欺の手口ですが、いくつかのパターンに分けれらるようです。
それらを知ることは、自分への注意喚起にもなりますので、紹介していきたいと思います。
「高利回りファンド」
ファンドというものは、多くの出資者から資金を集めて、プロのファンドマネージャ―が共同運用します。
プロの知見を活用できることから、投資初心者でも始めやすい商品となります。
しかし、それらの勧誘と見せかけて、「年利20%以上」などと、架空の高利回りファンドを勧誘する手口があります。
このようなファンドは、ある程度資金が集まったところで、詐欺師たちは音信不通になったり、被害者は配当金どころか、元本も回収できなくなることもあります。
「ポンジスキーム」
これは、条条件を謳って出資者から資金を集めますが、
その資金は実際ンは運用されず、他の出資者への配当に充てられるというものです。
この手口では、出資者が次々に増えている間は、実際に予定通りの配当を受け取ることができます。
その時には、出資者は詐欺と気づかずに、追加で出資したり、家族や知人に勧めてしまったりすることもあります。
実際には、運用の実態はありませんので、いずれ破綻して配当金が支払われなくなります。
「劇場型」
複数の登場人物がグルになって、多くの人をだます詐欺の手口です。
振り込め詐欺のような特殊詐欺がその一つで、よく使われる手口です。
登場人物が複数になり、ストーリーのつじつまが合うことから、被害者は、その商品が良いものだと信じてしまい、実際には価値のない商品に、お金を使ってしまうというものです。
「情報商材」
インターネットが普及し、特に増えているのがこの情報商材です。
知識が乏しい人や、情報を集めることができない人へ「絶対に失敗しない資産運用法」「セミナー教材」を高額で売りつけるという手口です。
このような商材の中には、実際に開けてみると、ネットで簡単に調べれられる情報しかなかったり、投資テクニックというよりは、単なる制度の説明しか、されていないことがほとんどです。
学生や高齢者がターゲットになることが多く、不安な気持ちに付け込んだものです。
投資詐欺に合わないための対策
大きな企業でも被害を受けてしまう、この投資詐欺ですが、では一体どのような対策を打てばいいのでしょう。
詐欺にあってしまう最も一番の理由は、「情報不足」にあります。
冒頭お伝えした、年金詐欺事件においても、担当していた年金基金の社員のほとんどが、年金運用業務の未経験者だといいます。
情報不足に漬け込んで、詐欺師は勧誘してきます。
情報不足に対応するためには、知識を身につけることがとても大切ですが、それよりも大切なことは、
「まず、簡単に信じない」
ということです。
多くの人は、自分の情報不足を、人からの情報で埋めようとします。
その方が時間も短縮できますし、信頼できそうな方からの情報だと、それが確かな情報だと思えるからです。
ただ、その行動自体はいいのですが、情報収集の過程で、自分でその情報が事実かどうかを確認することや、人からの情報だけでなく、自ら情報収集する行動を、ストップしてしまうことがあります。
良い判断をする際には、「冷静さ」が大切です。
自分で調べるという行動をすることにより、人からの情報が、事実に基づいたものか冷静に判断します。
詐欺師がよく使うフレーズに、「必ず儲かります」というものがあります。
投資にはリスクとリターンが必ずあり、絶対に儲かる仕組みなどありません。
冷静に判断できれば、このような口車に乗ることはありません。
「元本保証します」というフレーズも、同様です。
定期預金などはそうかもしれませんが、ほとんどすべての投資商品では、元本の保証はありませんし、元本割れのリスクがあります。
「あなただけに教えます」というフレーズを使う場合も多くあるようです。
これも冷静に考えればわかることですが、もし、魅力的な投資案件があれば、人に教えることはないでしょう。
「今この話を聞けるのは特別なあなただけ」
と、冷静な判断をできなるするための、巧妙なフレーズだといえます。
私たちの身の回りの情報は日々変わります。
情報の質は、私たちの生活の質にも影響します。
ただ、これらの情報も、自分自身で冷静に判断して、取り入れることが大切です。
自分自身の大切な資産を守るためにも、常に学び続けるという姿勢が大切です。
まとめ
投資詐欺にあわないために、意識しなければいけないこと。
それは、
「人を簡単に信じないこと」
「冷静さを失わないこと」
です。
今回私がお伝えした内容についても、ぜひとも自分自身で確認することで、確かな情報として身につくことでしょう。
投資の学びは、投資をし続ける限り続きますので、楽しみながらやっていきたいものです。
ライター馬込 八寛
生命保険、損害保険業界を約15年経験した後、お客様にとって最適な金融商品を提供するため、IFA(独立系金融アドバイザー)へ転身。「資産を1円でも多く増やすためのアイデア」を一人でも多くの人へ伝えるために、日々奔走。来年から始まる高校での授業「投資教育」にて教壇に立つことを目指している。
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