これからのビジネスには必須のデザイン思考。プロセスまで解説します!

これからのビジネスには必須のデザイン思考。プロセスまで解説します!ビジネス

デザイン思考は、ビジネスに関わる全ての人に活用できる考え方です。

商品やサービスを作ること以外にも、何かのプロジェクト進行や、組織課題を考えるときなど、いろいろな場面でデザイン思考が活用できます。

デザイン思考は、既存のやり方では生まれない革新的なアプトプット、そしてイノベーションに繋がっていきます。

デザイン思考についてのより詳しい内容、そしてプロセスなどを解説していきます。

デザイン思考とは?

デザイン思考とは、ビジネス上の問題を解決するための考え方の一つです。

一般的にデザインというと、配色やレイアウトなどの装飾のことを言いますが、ここでいうデザインとは、設計を意味します。

デザイナーがデザイン業界で使う考え方を、前例のない問題や未知の問題に対して、解決方法を導くための思考法です。

特徴としては、様々な種類の職種やビジネスにおいて、適用することが可能です。

また、プロジェクトに関わる、すべての社員、スタッフがそのプロセスに参加できるなど、一部の役職だけがプロジェクトに関わるという、これまでの考え方とは異なることも、デザイン思考の特徴といえます。

そもそもこのデザイン思考は、ハーバート・サイモン氏の「システムの科学」が始まりといわれており、その研究論文に書かれていることは、今でもデザイン思考の考え方に影響を与えています。

「現在の状態を、より好ましいものに変えるべく行為の道筋を考案するものは、誰でもデザイン活動をしている。」

デザイン思考は何も、クリエイティブなセンスが必要というわけではありません。

思考方法を学んで実践することによりスキルが身に付き、継続することで、妥当性と再現性のクオリティを高めていき、ビジネスの問題かけいつに有効活用することができるようになります。

なぜデザイン思考が求められるのか?

デザイン思考について、そのプロセスや、もたらす効果について解説する前に、どうしてデザイン思考が求められるようになったのか、その背景を紹介しましょう。

これまで、新しい製品やサービスを生み出す際に、特に重要視されていたのは、仮説検証型のアプローチ方法です。

いわゆるマーケティングリサーチという手法で、まず、市場や顧客のニーズについて、調査した結果を分析して、仮説を立てて検証し、それをもとに製品開発、サービス開発を行うというものです。

このマーケティングリサーチを行うためには、事前にある程度正確に問題を把握する必要があります。

しかしニーズの多様化、変化の激しい現代では、このマーケティングリサーチでは問題の本質をとらえることが難しくなってきました。

そこで求められるのが、よりスピーディーに、仮説や検証を行い問題解決に導くことです。

チームメンバーとのコミュニケーションを重視し、スピーディーにサイクルを回すことのできるデザイン思考が求められるようになったといえます。

欧米では、製造業をインターネットと人工知能を利用して自動化する動きが加速化しています。

第4次産業革命といわれ、社会構造そのものが変化することが予測されています。

そのような変化の中で、これまでの価値観にとらわれない問題解決方法がないか、自ら課題を設定し、市場を生み出せなければ、大きなビジネスチャンスは手に入りません。

そういう意味においても、このデザイン思考は注目されています。

デザイン思考のプロセス

デザイン思考は、これから紹介する5つのプロセスで展開されていきます。

詳しく解説していきましょう。

観察と共感

デザイン思考の原則は、人間中心ということです。

このプロセスでは、人々がなぜ、どのように行動するのか、ニーズは何かを、インタビューや観察などを通して探っていきます。

そういったことを繰り返し、人々が本当に求めていることを見つけ出していきます。

定義

観察と共感のプロセスで得られた、人々の意見や情報から、潜在的な課題やニーズを出していきます。

その時に、問題が発生している状況を整理し、問題の発生にはどんな要因があるのか、そういう細かいところまで分析を行います。

そこから、目指すべき方向性やコンセプトを確立し、問題がどこにあるのかを明確に定義していきます。

概念化

次に、定義された問題点に対し、具体的にどうアプローチするかを考えます。

スタッフやメンバーを集めて、枠にとらわれることなく、自由にコミュニケーションをとりますが、質より量を意識して、思いついたことをとにかくアウトプットします。

より多くのアイデアを出し合って、方策を練り、仮説を具体化することが、ポイントとなります。

試作

これまでのステップで出たアイデアで、おおよその方策が固まったら、次は施策を行っていきます。

試作品を作成することで、さらにアイデアを具体化でき、イメージしやすくなります。

その試作品を通して、製品やサービスの機能性や効果、そして実現性について検討していきます。

目に見える形で試作品ができると、アイデアの再現が容易になり、解決策の提案での説得力を補うことができます。

テスト

最後のステップですが、試作の段階を経て、いよいよユーザーにアイデアの使用感を問いかけていきます。

それまでの方針が正しかったかどうかを見極めるだけでなく、今後の課題を決めるという重要なステップです。

テストと改善を繰り返し、最終的な解決策を目指していきます。

デザイン思考がもたらす効果

デザイン思考の特徴の一つに、ある一部の役職だけでアイデアを出すのではなく、プロフェクトやチームに所属する全員でアイデアを出し合うというものがありました。

デザイン思考では、アイデアの重要度に着目が置かれ、あらゆる発言が平等に扱われます。

このようなこれまでの思考とは異なる、デザイン思考によって得られる効果について紹介していきます。

新しいアイデアの醸成

デザイン思考では、先ほど紹介した5つのプロセスにより、得られた結果をチーム全体で見ていきます。

仮説の検証を経て、さらにテストと改善を繰り返すことで、新しい気付きや、さらなるアイデア、発想が生まれます。

この習慣が根付いていくことで、新しいアイデアが醸成されやすい環境が作り出されていくことでしょう。

組織の強化

プロジェクトやチームに所属するメンバーが自由に意見を交換することで、共通の認識や方向性を持つことできます。

それらのプロセスをメンバー全員で行うというプロセスを経て、メンバー間の信頼構築にもつながります。

その結果、組織の強化という副産物も生まれ、おのずと製品やサービスの品質向上にも繋がっていくでしょう。

まとめ

デザイン思考は、変化が激しい今の時代において、スピーディーに問題解決をするために、有効な手段です。

ただ、これまでの問題方法とは、そのプロセスも含めて異なるので、最初は違和感があるかもしません。

しかし、いま私たちが使っているiPodや任天堂Wiiは実はデザイン思考のプロセスを活用して開発された商品です。

どんどんデザイン思考を活用して商品などが開発されていくことを考えると、私たちも考え方をシフトしていかねばなりません。

ぜひこれを機に、デザイン思考についてより深く学んでいきましょう。

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