資産運用を始める際に、どのような投資方法で資産運用を行うか、一度は悩むことでしょう。
その中で、「高配当株投資」という投資方法があります。
株式を保有して、その企業から配当を受け取るという手法ですが、シンプルな投資方法ということで、資産運用をこれから始める方は、関心があるようです。
また、最終的には「配当だけで生活する」ということを目指す人も多いかと思います。
資産運用を始めて、実際にそういう生活を送っている人もいますが、やはりメリット、デメリットはあります。
高配当株式投資とはどういうものか、メリット、デメリットについて、詳しく説明していきましょう。
高配当株投資とは?
株式投資を始める際に、そこから得られる利益には2つあります。
1つは、キャピタルゲインです。
これは、購入した株式の株価が、購入時よりも値上がりした際に、売却することで得られる売却益です。
もう一つが、インカムゲイン、いわゆる配当です。
配当とは、会社が事業で得た利益の一部を、株主に還元することです。
会社は株主に資金を出してもらい、その資金で事業を行います。
会社は事業で得た利益を、お金を出してくれた株主に配当として分配します。
ですので、買った株式を売らずに、配当を定期的にもらうというシンプルな方法なため、資産運用初心者でも簡単にできることから、関心がある人が多いようです。
この配当ですが、配当利回りが高い会社へ投資することを、高配当株投資と呼ばれます。
この配当利回りが、高いもので10%のものがあったりしますが、東京証券取引所プライム市場の、株式平均利回りは2023年1月現在で2.23%です。
ですので、一般的な高配当株の利回りは3%を超えるもの、だと言われているようです。
配当金受け取りの計算方法
では、高配当株といっても、投資した金額に応じて、一体どれくらいの配当金を受け取ることができるのか、イメージがわかない方もいるかともいますので、シュミレーションを見てみましょう。
例えば、100万円で株価1000円の銘柄を、1000株購入した場合です。
もし、この銘柄の配当利回りが5%の時、支払われる年間の配当金は、5万円です。
一株当たりの配当金が50円ですので、50円×1000株=5万円。
この配当金には、20.315%の税金がかかります。
5万円×20.315%=10,157円
手元に残る配当金は39,843円
となります。
ただ、NISA制度を活用して株式を購入すると、この配当金は非課税になります。
税金を引かれた上でも、約4万円の配当金を受け取ることができるのは、とても魅力的ですが、さらにNISA制度を活用することで、より魅力的であると言えるでしょう。
高配当株のメリットとデメリット それでは、高配当株のメリットとデメリットを、解説していきましょう。 まずメリットは、3つあります。 1つ目は、株式を保有するだけで、配当金がもらえること。 もちろん減配する可能性もありますが、保有していればほぼ毎年もらえるのが、高配当株式の魅力だと言えます。 2つ目は、高配当を出す会社は比較的安定しているため、株価の変動があまりない点です。 短期間で大きな利益を得る方法ではありませんが、比較的安定した収益が見込めます。 3つ目は、手間がかからないという点です。 高配当株式投資は、基本的には株を保有し続けることが前提ですので、取引の手間はかかりません。 仕事や家庭のことで、忙しい人でも取り組みやすいと言えます。 もちろんデメリットもあります。 1つは、減配のリスクがあるという点です。 長期にわたり配当利回りが高い銘柄は、比較的に配当を出す傾向があります。 しかし、急激な経済変動により業績が悪化すると、減配や無配になるというリスクは否めません。 最後にお伝えしますが、業績が悪化して、株価が下がった株の配当利回りは、見かけ上高くなるため、そういう銘柄を選ばないようにしないといけません。 もう一つは、高配当株は、株価の大きな値上がり益を見込めないという点です。 高配当を続ける会社は、長期的に安定した業績である場合が多く、株の値動きがそう大きくないからです。 逆に、値動きの幅が小さい分、値下がりによる大きな損失を被りにくいとも言えます。 3つ目は、予想配当利回りを下回る可能性もあるという点です。 高配当株を選ぶ場合に、予想配当利回りを参考にすると思いますが、実際の配当金が、予想配当を下回る可能性もあります。 急激に業績が落ち込んだ場合などは、配当金が引き下げられます。 業績が安定していること、配当利回りの変動がないかどうかを、チェックする必要があります。 高配当株の選び方
最後に、高配当株をどう選んだらいいかを、確認していきましょう。
特にチェックすべきは次の二つです。
一つは、過去からの配当の推移をチェックすることです。
ポイントは、長期にわたって高配当を続けているかです。
直近の配当利回りしかみないと、業績悪化で株価が下がったために、一時的に配当が上がった会社を選びかねません。
できれば、連続増配している会社であれば、長期的に安定した配当の受け取りが期待できます。
もう一つは、複数の業種に分散して持つことです。
資産運用をする際に、リスクを減らすためには、投資対象の分散は大切です。
特に、個別株への投資は、投資対象の破綻の可能性もゼロではありません。
安定した銘柄を探すのも重要ですが、1つの銘柄に集中せず、いくつかの銘柄を持つべきでしょう。
その際、業種を分けておくことで、同じタイミングに減配されるリスクを防げます。
まとめ
資産運用と一言で言っても、その方法は様々です。
今回ご紹介した高配当株投資も、いくつもある投資手法の一つにすぎません。
自分が持つ資産、ライフスタイルに応じて、自分に合った方法を見つけることが大切です。
来年からは、NISA制度も新しくなりますので、フル活用しながら、将来のお金の不安をしていきましょう。
ライター馬込 八寛
生命保険、損害保険業界を約15年経験した後、お客様にとって最適な金融商品を提供するため、IFA(独立系金融アドバイザー)へ転身。「資産を1円でも多く増やすためのアイデア」を一人でも多くの人へ伝えるために、日々奔走。来年から始まる高校での授業「投資教育」にて教壇に立つことを目指している。
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