ドルコスト平均法の落とし穴。投資初心者が知るべき負けパターンとは?

ドルコスト平均法の落とし穴。投資初心者が知るべき負けパターンとは?金融・投資

資産運用の大きなルールとして、分散投資を言うものがあります。

ノーベル経済学賞を受賞した、ハリーマーコウィッツ博士が提唱する、現代ポートフォリオにも、しっかりとこの分散投資が書かれていますが、具体的にどのようなものでしょうか。

今回は、分散の中でも、時間を分散して投資していくものに、注目して解説していきます。

「ドルコスト平均法」と言われるものですが、長期投資をする人にとっては、知っておきたい方法となります。

ぜひ、一緒に学んでいきましょう。

分散投資とは

資産運用をしている人であれば、一度は聞いたことがあると思いますが、1990年に、アメリカの経済学者、ハリーマーコウィッツ博士がノーベル賞を受賞しました。

1952年に博士が発表した、「現代ポートフォリオ理論」に書かれている、リスクを抑えながら、一定のリターンを得るための方法が、評価されて受賞に至っています。

これが一般的に、「分散投資」と言われているものですが、日本のiDeCo等の制度や、実際の老齢年金の運用も、これにならって、ポートフォリオを組んでいると考えられます。

少し具体的に、分散投資のことを紹介すると、投資する対象を分けると効果があるとされています。

国が発行する国債に投資するのか、
株式に投資するのか、
どの国に投資するのか、
一度のお金を投資するのか、
分けて投資するのか、

などなど、1つのものや国に集中するのではなく、それをわけることで、リスクを抑えることができるというわけです。

今回は、その中でも時間の分散の効果について、詳しく解説していきましょう。

こちらも聞いたことがあると思いますが、一般的には、ドルコスト平均法といわれています。

投資の王道ともいわれる、この方法ですが、改めて、どのような人に向いている方法なのか、また、デメリットはないのかについても、解説していきましょう。

ドルコスト平均法とは

価格が変動する株式や投資信託ですが、購入するときの単位は、1株であったり、1口であったりします。

この1株、1口の価格は日々変動するわけですが、例えば、1株が10,000円の時に、12万円で12株購入したとします。

それを、時間を分けて、ひと月10,000円分ずつ1年間購入したとします。

毎月1株の値段は変わりますので、ある月は、7,000円になったり、ある月は12,000円になったりするわけです。

もしこの1年間の平均の値段が、8,000円だとします。

そうすると、12万円で買えた株式は、

12万円 ÷ 8,000円 = 15株

あれ?一度に12万円で購入した時よりも、購入できた株数が増えていますね。

そうです、ドルコスト平均法の一番のメリットは、投資するタイミングを、分散することで、価格の変動リスクを軽減することが、期待できることです。

このことを考えると、
次のような人にはぴったりの投資方法です。

まず、ドルコスト平均法は、長期的な視野で資産形成を考えたい人であれば、1つの勝ちパターンといえます。

資産運用のゴールが20年、30年と、先の人たちにはもってこいの方法です。

こうなると、特に若い方にお勧めの方法になってきますが、社会に出たばかりで、一度に大きなお金を準備できる人も、多くはないと思います。

逆に、そういう人は、このドルことスト平均法の積立方式で、一回当たりの金額が少なくて済む、という方法が最適です。

また、このような方法だと、いつ投資をスタートすべきか、悩む必要もありません。

日々の変動には左右されない方法ですので、毎日の価格の変動を気にすることなく、進めることができます。

と、このように言うと、ドルコスト平均法は、投資の最強手法だと思い込みそうですが、落とし穴があることを忘れてはいけません。

最後に、その落とし穴をご紹介します。

ドルコスト平均法の落とし穴

ドルコストのメリットは先に挙げたように、特に若い方で長期的な視点で、資産運用をしたい人には最適なものでした。

ただ、このドルコスト平均法にも、落とし穴があります。

最初にお伝えした例と比較してみましょう。

1株が10,000円の時に、12万円で12株購入した場合と、ひと月10,000円分ずつ1年間購入した場合です。

もしこの1年間の平均の値段が、8,000円だとすると、購入できた株数は15株となり、メリットを受けることができます。

しかし、1年間の平均の値段が15000円だったら、

12万円 ÷ 15,000円 = 8株

1度に12万円で購入した時よりも、変えた株数は減ってしまいます。

落とし穴の1つは、株の値段が一本調子で上昇すると、ドルコスト平均法では、デメリットを被ることになります。

このように、株価の値段は上がったり下がったりするものですが、それに合わせて、柔軟に対応できるように学んでいく必要もあります。

ドルコスト平均法は、1つに集中しないという投資方法ですが、最初は、ドルコスト平均法を使って、資産運用をスタートしたとしても、その方法1つに頼るのではなく、投資方法もいつか組み合わせていくという、視点も必要なのかもしれません。

まとめ

分散投資の中でも、時間を分散するという、ドルことスト平均法について、実は落とし穴もあるということを、ぜひ知っていただけたと思います。

ドルコスト平均法をベースに、株価が下がった時を狙い目に、多めに購入するなどという、効率の良い投資方法なども、考えられているようです。

資産運用は、スタートすると日々学ぶことが多いですが、自分のゴールを目指して、継続することがとても大切ですね。

次は、分散の中でも、「資産の分散」についてもご紹介したいと思います。

ライター馬込 八寛

生命保険、損害保険業界を約15年経験した後、お客様にとって最適な金融商品を提供するため、IFA(独立系金融アドバイザー)へ転身。「資産を1円でも多く増やすためのアイデア」を一人でも多くの人へ伝えるために、日々奔走。来年から始まる高校での授業「投資教育」にて教壇に立つことを目指している。

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