円安を阻止するために、政府が24年ぶりに行った為替介入。
これに対して、賛否様々な声があるが、私たちが気になるのは、どのような影響があるのか?ということではないでしょうか。
長く続く円安の今、企業においても、私たちの生活においても、様々な影響が出ています。
このまま円安が続くと、どのようなことになるのか、どう対策をすればいいのか、考えてみましょう。
為替介入とは
いまだ、「金融緩和を継続する」という姿勢を変えない日銀ですが、この姿勢が続く限り、円安は続くと思われます。
それは今の円安がどうして起こっているか、その原因を考えると容易に予想がつきます。
今回の円安が続いているのは、日本とアメリカの金利差による、ごくごく自然なものだといえます。
投資家からすると、金利が高いところに資産を置くということは、当然の行為だからです。
この為替介入というのは、24年前の1998年にも行われました。
その一年前には、山一證券や三洋証券などの金融機関が、次々と経営破綻し、1998年には、日本長期信用銀行や日本債券信用銀行も、経営破綻するなど、金融危機が発生したという経緯があります。
信用力が低下した、日本の金融機関が、ドルの資金調達に支障をきたし、ドル資金の確保に追われたこと、そして今回同様、日本とアメリカの金利差が拡大したことが、為替介入の理由としてあります。
いずれも、日本とアメリカの金利差が、為替介入の原因としてあるのであれば、日銀の金融緩和が続く限り、この状況は続くでしょう。
この為替介入によって、良い影響が出たのかどうかの評価は、ここではしませんが、続く円安の影響がどう出るのか、その対策を、どうすべきかを考える必要があります。
円安の企業への影響とは
9月13日に中国電力は、円安の進行による、資源価格が高騰した影響で、2023年3月期の連結最終損益が、1390億円の赤字になると公表しました。
帝国データバンクは、円安による企業業績への影響について調査し、マイナスと答えた企業が、6割を答えたと発表しました。
その理由はやはり、「原材料価格の上昇によるコスト負担の増加」「燃料・エネルギー価格の上昇によるコスト負担」と回答した企業がほとんどだったようです。
その企業が、輸出産業なのか輸入産業なのかで、円安の影響は様々だと思いますが、円安に対する対応をできているかどうかも、企業の業績に影響を受けるかどうかに、差が出ているようです。
製造業や観光業では、プラスの影響も期待できるでしょう。
しかし、それ以外のマイナスの影響は小さくはありません。
こういった企業の業績の影響は、ひいては、私たちの生活に影響していきます。
次は、私たちの生活への影響を見ていきましょう。
円安の民間への影響とは
円安が私たちの生活に与える影響は、デメリットの方が多いように思います。
なぜなら、私たちの周りには、輸入したもの、輸入したものを原料として作られたものが、かなり多いからです。
ガソリンや電気、家具やスマホなど、生活に密着しているものは、ほとんどが輸入に頼らないと、手に入れることができないモノばかりです。
さらに、インフレによって、単純にモノの値段が上がっているため、経済的負担を感じる人が、増えていくと考えられます。
しばらく円安は続くと思われますが、その対策として何ができるのかも、少し考えてみましょう。
輸入品への影響が大きいということは、逆に国内で作られたもの、国内の原料を使って作られたものは、影響を受けないということです。
一部、生産途中で海外のものを使うものや、運搬過程で輸入品を使うものもあるため、注意が必要です。
ただ、このような機会に、国産の良さ、安全面に、目を向けることも大切ですね。
まとめ
日本の最近の傾向として、高品質はそのままで、価格を抑えた衣料品、そのほか、100円ショップに代表されるように、低コストで、いろいろな商品が登場しています。
インフレが顕著に合わられてきたこともありますが、円安がそれに拍車をかけている今、モノの値段は常に上がっていくのだという認識を、今一度する必要があります。
それを踏まえたうえで、自分の資産が、物価上昇に負けないようにするために、どう対策すべきか、考えていきたいものです。
ライター馬込 八寛
生命保険、損害保険業界を約15年経験した後、お客様にとって最適な金融商品を提供するため、IFA(独立系金融アドバイザー)へ転身。「資産を1円でも多く増やすためのアイデア」を一人でも多くの人へ伝えるために、日々奔走。来年から始まる高校での授業「投資教育」にて教壇に立つことを目指している。
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