これまで、お金を支払ったり、引き出したりするために、わざわざ銀行や郵便局へ足を運んでいました。
今では、銀行の役割の一部がコンビニでもできるようになり、さらにスマートフォン一つあれば、決済や送金などもスムーズにできるようになりました。
それだけではなく、私たちの生活、会社において、このフィンテックがお金をめぐる習慣を大きく変えようとしています。
今後ますます重要となるこのフィンテックについて、由来や歴史、そして浸透しつつある事例を中心に紹介していきます。
フィンテックとは?
最近耳にするようになった、フィンテックという言葉。
金融IT、金融テクノロジーと略されることが多いようですが、Financeファイナンスと、Technologyテクノロジーの2つの言葉を合わせた造語です。
本来は、ICT情報通信技術を活用した、金融、決済、財務といった分野に関する革新的なサービスのことを指しますが、最近では、金融IT分野のベンチャー企業のことをフィンテックと呼んだり、フィンテック企業と呼ぶこともあります。
スマートフォンの普及や、インターネットにおける、電子商取引の拡大を背景に、消費者のニーズが、より早く、よりコストの安いサービスを求めるようになり、それにともなって、フィンテック企業が登場しています。
私たちの身近なところで、フィンテックは利用されていますので、その代表的なものから、フィンテックによって私たちの生活がどう変わっていくのかを紹介していきましょう。
フィンテックの歴史
フィンテックの前身ともいえるのが、PayPal(ペイパル)です。
1998年に創業し、電子メールアカウントとインターネットを利用した決済サービスを提供するアメリカの企業です。
今もなお、利便性の高いサービスを提供していることで、多くのビジネスでも活用されています。
また、フィンテックが浸透したきっかけともいえるのは、今から10年ほど前、2008年に起きたリーマンショックです。
アメリカの大手投資銀行、リーマンブラザーズの経営破綻に始まり、多くの金融機関が経営危機に見舞われました。
既存の金融業界に対する、社会的な批判も広まり、便利で安価な金融サービスに対する期待感が高まりました。
2010年代に入って、フィンテックを標榜するベンチャー企業が数多く誕生するようになりました。
一方で、消費者側も、インターネットサービスに抵抗を持たない世代が増加していきます。
1981年から1990年代後半にかけて生まれたミレニアム世代は、幼いころから情報技術に慣れ親しんで育ちました。
今やアメリカでは、最も人口の多い世代となっています。こうした世代交代も、フィンテックの誕生を支える社会的な背景と考えられます。
日本においても、日常的な存在として定着する可能性も大きいです。2020年の東京オリンピックや、2025年の大阪・関西万博に向け、政府がキャッシュレス決済の普及を進めていることも一例ですが、今後もフィンテックを活用した決済サービスの登場が期待されます。
フィンテックの代表例
フィンテックは、私たちの生活の中にすでに溶け込んでいて、フィンテックとは知らずに活用していたというものも多いでしょう。
送金、決済、融資、投資、仮想通貨などなど、そのキーワードとしては本当に多くの金融サービスとしてビジネスが成り立っています。
ここでは、私たちの身近なところでどのようにフィンテックが活用されているかを紹介していきます。
先ほども、お伝えした通り、これから紹介するものは、フィンテックを活用したサービスのほんの一部です。
そして、どんどん進化するフィンテックですので、さらに私たちの生活が便利になるように、活用されていくと思われます。
モバイル決済
フィンテックのサービスで、私たちの生活で一番活用されているのが、モバイル決済ではないでしょうか。
これまでは、クレジットカード決済端末という大きな機会を購入し、それを電話回線などにつなぐことで、決済は行われていました。
今現在、フィンテックを活用したモバイル決済は、携帯電波で決済ができるので、最小限の器具のみで決済ができるようになりました。
日本で使われている主なものを上げると、「楽天ペイ」「AirPay」「Square」の3社です。
コンビニやいろいろな店舗を経営されている方にとっては、お客様がスムーズに決済できる環境を整えることは急務でしょう。
世の中の常識が、モバイル決済に向かっている以上、このようなインフラの整備は欠かせないですね。
もちろん、そのようなお店を私たち消費者は選びますし、売り上げアップの一助ともなるでしょう。
クラウド家計簿
もう一つ、家庭の中で浸透しつつあるものに、クラウド家計簿があります。
これまでのように、手書きで家計簿をつけなくても、自動で家計簿を作ることができるというものです。
今までは、家計簿をつけるというと、銀行通帳やレシートとにらめっこしながら、一つ一つ手書きでつけいくのが当たり前でした。
現在では、クレジットカードのネット明細や、電子マネーの利用履歴などをひとまとめにし、自動で家計簿をつけてくれる仕組みが出てきました。
この仕組みを一度知ってしまうと、銀行残高、月収、食費や交際費など出ていくお金の流れが、一目瞭然で分かるようになるので、手書きで家計簿をつけるのが、バカバカしく思えるかもしれません。
そして、このクラウド家計簿は、個人事業主や中小企業経営者の方向けに、会社の経費関係も、自動的に記帳することが可能です。
そのことにより、取引先の数や、そこまで支出が多くない企業であれば、わざわざ経理担当を雇わなくても、社長自身が、数時間程度の作業で完了させることも可能となるでしょう。
有名なものでいうと、会計ソフトの「freee」会計簿アプリの「マネーフォワード」が有名です。
カード型デバイス
最後に、複数枚のカード情報を一枚にまとめることできる、カード型デバイスを紹介します。
電子カードは、従来通りの使い方のままで、カード決済に対応できるため、クレジットカードやキャッシュカードを多く持っている人には、とても便利な機能です。
一般的に、ユニバーサルクレジットカードといますが、概要を説明すると、大きさはクレジットカードとほとんど同じ大きさの電子製品です。
この電子カードの中に、様々なクレジットカードやポイントカードの番号、有効期限を取り込むことができます。
このカードを一枚財布の中に入れておけば、好きな時に、そのカードを利用することができます。
ただ、このとても便利なユニバーサルクレジットカードですが、サービスにおいてはまだ開始されたばかりで、利用している方が極端に少ないです。
今後の利用者がどのように増えていくか、日本国内でのサービスがどのように普及するのかが楽しみでもあります。
日本で使われている有名なユニバーサルクレジットカードを紹介すると、「Coin(コイン)」「Stratos(ストレイトス)」「Plastc(プラスティック)」「LGのWhiteCard(ホワイトカード)」などです。
フィンテックがもたらす影響
フィンテックが普及することに伴い、私たちの生活にもたらす影響はどのようなものがあるでしょうか?
すでに私たち自身も活用しているものもありますが、特に決済、送金、会社の会計などにおいては、どんどんフィンテックサービスが普及していっています。
モバイル決済については、その普及のスピードは速く、スマートフォンを危機にかざすだけで、決済が可能となり、現金どころかカードさえ取り出さなくても良くなっていきます。
特に日本では、2020年東京オリンピックが待っています。
世界中から多くの人が日本に来るため、キャッシュレス決済の普及が進められています。
お金の送金や会計サービスについても、様々なサービスが、どんどん安価に、そして使いやすくなっています。
また、決済や送金会計以外にも、ビットコインを始めとした、仮想通貨関連のサービスがフィンテックのも、普及しつつあります。
一部の飲食店や家電量販店を始めとして、支払いに使用できるという店舗も出始めているので、仮想通貨に対応するためのフィンテックサービスも加速度的に普及していくことでしょう。
まだまだ、一般に浸透してないサービスや分野も多くあります。フィンテックの可能性が本格的に花開いていくのは、まだまだこれからでしょう。
まとめ
フィンテックは、金融機関や私たちの生活、そしてビジネスを大きく転換させる可能性を秘めた技術革新です。
キャッシュレス化によって、私たちの身の回りの生活を変えているように、今後の社会をどのように変えていくのか、ますます目が離せません
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