欧州で大きなムーブメントとなっている「FIRE」いよいよ、日本においても注目され始めました。
資産運用による不労所得を増やし、それから入ってくる収益を生活にあてれば、資産は減らず、早期リタイアができるという考え方です。
不労所得というと、不動産投資のイメージがありますが、株や投資信託を活用すれば、比較的少ない資産からでも、「FIRE」が可能とされています。
その中でも特に注目されているのが、「米国株」。その理由はいったい何なのでしょうか?
「FIRE」を目指す人には、ぜひ知ってもらいたい米国株の魅力を紹介していきましょう。
FIREと株式投資
サラリーマンであれば誰しも、生活費を稼ぐための仕事や、お金の悩みからは解放されたいと思うもの。
自分の時間を、好きなことに使いたい。
趣味や別の仕事、ボランティアなど、FIREを達成すれば、このような人生を目指することができる。
これが、多くの人がFIREを目指す理由です。
しかしながら、多くの人が望むFIREは、そう簡単には達成できません。
そうです、生まれながらに大きな資産を持っていれば、話は簡単でしょうが、いちから資産を作っていくとなると、それなりの「時間」が必要になります。
FIREを目指すと目標を定めても、1年後に達成、ということはまず不可能でしょう。
実際に達成した人の情報を見ると、やはり10年、15年と、ある程度の時間を要していることがわかります。
それでも、できるだけ早く達成したいと考える人には、「いかに資産運用を効率的にできるか」がポイントになってくるでしょう。
そこで注目されているのが株式投資です。
特に、「高配当株」「連続増配当株」と呼ばれる株へ投資をすること。
高配当株とは、配当利回りが高い株のことです。
同じ金額の株を買うのであれば、配当が高い銘柄を買ったほうが、効率よく資産を増やすことができます。
また連続増配株とは、何年も連続して、配当金の額を増やしている株のこと。
これは、「会社が安定的に成長している」、からこそできることですが、そのような会社に投資することで、自身の資産も安定的に増やすことができます。
このように、配当金を高く出す企業や、連続で増配している企業は、日本の企業にも存在していますが、FIREを目指す人にとっては、米国の企業に注目する人が多いようです。
なぜ、日本ではなく米国なのか、その理由を解説します。
FIREと米国株
株価の値動きを表す指標は様々ですが、日本においては、TOPIX(東証株価指数)や東証マザーズ指数、JASDAQ INDEXなどがあります。
米国においては、ダウ平均(ダウ工業株30種平均)、S&P500といったものが代表的でしょうか。
ダウ平均は、米国を代表する30銘柄の平均株価を、指数化して算出しています。
S&P500は、米国500銘柄の時価総額を基にする株価指数です。
この株価指数、米国株のS&P500と日本株のTOPIXの、過去20年(2001/4/1から)の利回りを比較すると、S&P500は年平均約5.7%上昇しているのに対し、TOPIXは年平均2.18%の上昇にとどまっています。
まさに、この株価の上昇率が、米国株を選ぶ理由の一番の理由でしょう。
米国は何といっても世界経済の中心。
特にGAFAMと呼ばれる巨大IT企業、コカ・コーラや、ジョンソン・エンドジョンソンなどの老舗企業、自動運転で有名なテスラといった、話題急騰の企業まで、今後も成長が見込まれるような企業が多くあります。
このような企業に投資し、その配当を多く受け取ることで、FIRE達成までの時間も短縮できるということです。
また、米国の株を選ぶ理由は他にもあります。
それは、配当の回数です。FIRE達成までは、配当は受け取らずに、その配当金すら次の投資元本へ組み入れることが必須ですが、FIRE達成後は、その配当金が生活費となります。
日本株の多くは、配当は年2回が一般的ですが、米国は年に4回が一般的です。
これを利用すると、
1月、4月、7月、10月に配当する銘柄、
2月、5月、8月、11月に配当する銘柄、
3月、6月、9月、12月に配当する銘柄、
という風に分散することで、毎月収入がある状態を作ることができます。
このように、米国株を使うメリットはたくさんありますが、デメリットについてもお伝えしておきましょう。
一つは、情報が少ないという点でしょう。
日本で売られている株や投資信託は、どうしても、日本の企業に投資している商品が多いです。
また、米国の企業の情報や情勢などは、私たちが日本で生活する上において、自ら調べに行かない限り入ってきません。
それは、朝のニュースで、話題となるのは日本のことのみで、米国など海外のニュースが、ほとんどないことでお判りいただけるでしょう。もう一つは、大きく配当がつく分、リスも大きくなる可能性があるという点です。
リスクとは、この先どう動くかわからない振れ幅です。
多くの方は、基本的に長く投資を続けることで、多くのリターンを手に入れますが、長く続けれらないのは、どうしても値下がりした時に、その時の感情でやめてしまうという理由です。
これは経験によってでしか、対処できませんが、それだからこそ長く続けて、学びも続けていくという考え方が必要です。
最後に、FIRE達成までのステップを、簡単におさらいしましょう。 まず最初に行うべきは、「リタイア後の年間生活費の計算」です。 それをもとに、年間の資産運用収益でまかなうために必要な、投資元本を計算します。 一般的に、年間生活費の25倍をゴールに設定します。 それまでを計算出来たら、後は毎月生活費から、いくら投資に回せるかを計算し、投資を開始していきます。 もちろん、毎月投資に回せるお金が多ければ、FIRE達成への道のりは短くて済みます。 日々の生活の支出にも目を向け、自分のライフスタイルに必要なもの、そうでないものの精査もしていくと、より支出を削ることが可能になります。 まとめ
日本における、株式投資のインフラ整備も整ってきており、わざわざ証券会社へ行かなくても、ネット手続きで取引ができるようになっています。
安い手数料、自動積立サービスなど、手ごろにスタートできる環境は既にあります。
後は、より良い情報を、どのように手に入れるかどうかです。
人生をよりよく生きるために、良いアドバイザーを持つことはとても大切です。
※当記事は情報の提供を目的としており、投資などの行動を誘導する目的で公開しておりません。また、当記事の記載内容に関するご質問には、一切お答え致しかねますので、ご了承お願い致します。
ライター馬込 八寛
生命保険、損害保険業界を約15年経験した後、お客様にとって最適な金融商品を提供するため、IFA(独立系金融アドバイザー)へ転身。「資産を1円でも多く増やすためのアイデア」を一人でも多くの人へ伝えるために、日々奔走。来年から始まる高校での授業「投資教育」にて教壇に立つことを目指している。
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