お子様の教育資金や、セカンドライフの資金をどうやって準備していこうかと考えるときに、コツコツ定期預金だけしておけば大丈夫、という時代はとっくに過ぎてしまいました。
ではどうやって、それらのお金を作っていくのか?
その答えの一つに、複利運用による資産形成があります。
と言われても、「複利」とは何か?
これを紐解くことから始めていきましょう。
複利とは
まず、複利とは普段生活していると、あまり聞きなれない言葉ですので、解説していきましょう。
複利とは、利益や利息が生じるごとに、それらを元本に組み込み、運用に回して資金を増やすという方法です。
例えば、銀行預金で当初100万円預けていたものに、利息が1万円生じた場合、その利息を組み入れ101万円にして、再度預金を続けることを言います。
この場合、次回の利息は、元本101万に対する利息となります。
この複利の逆の考え方に、単利というものがあります。
これは、利益や利息が発生することに、これを引き出して保管したり、消費したりする方法で、元本は当初の100万円のままです。
ですので、次回の利息は、元本100万円に対する利息になります。
この複利というのは、聞いたことがあるかもしれませんが、20世紀最大の物理学者といわれる、アインシュタインが、「人類最大の発明」と呼んだそうです。
単利と複利のお金の増え方を比較すると、圧倒的に複利のほうが、効率よくお金が増えていきます。
この考え方は、資産形成においてもですが、ビジネスにおいても活用されているようです。
特に営業の世界では、新規開拓の手法で使われる。
商品を買ってもらったら、それで終わりでなく、そのお客様に紹介をもらいながら、新規顧客の獲得を行っていくという手法。
これだと、自分一人の力だけでなく、お客様の数が増えるごとに、そこお客様の力も借りながら、新規獲得を行えるというものです。
このように、上手に活用することで、お金もビジネスも効率よく、増やしていけるこの複利効果ですが、そのほかにもメリットがあります。
また、それとは逆に、デメリットもあるので、ご紹介していきましょう。
複利のメリット
ここでは、資産形成における複利運用のメリットをご紹介していきます。
複利運用をしていく上で知ってほしいのが、「72の法則」です。
これは、複利運用をした際に、何年で資産が倍になるのかを、計算できる計算式になります。
72 ÷ 利回り =資産が2倍になる年数
となります。
例えば、利回り6%の金融商品であれば、なんと、12年で資産が倍になるという計算です。
逆に、「100の法則」というのは、単利で資産が倍になるために、必要な年数を求めることができます。
100 ÷ 金利 =資産が2倍になる年数
同じ6%で計算すると、16年で資産が倍になるという計算です。
4年もの差がついてしまうことになります。
このように考えると、複利運用をするポイントは、できるだけ早くスタートすることだといえます。
複利のデメリット
こういう話だけ聞くと、複利はメリットだらけのように聞こえますが、デメリットももちろんあります。
複利運用は、先ほどお伝えした通り、できるだけ早くスタートすることが、ポイントの一つです。
なぜならば、運用期間が経過するにつれて、大きな効果が期待できるからです。
しかしこの逆を考えると、長期間その資金が、拘束されるということも認識すべきです。
運用途中で得られる利益や利息は、使うことなく、次の投資に回っていくため、使えないという場合もあり得ます。
ですので、複利運用ができる金融消費を購入する際は、生活資金に影響のない範囲で行うことが、大きなポイントとなります。
複利を生かす投資法
最後に、この複利を生かすことができる投資方法を、検証していきましょう。
投資は、投資期間の長短によって、短期投資と長期投資に分けることができます。
短期投資は、比較的投資期間が短いため、どちらかという投機的な要素もあります。
一方、長期投資は、投資期間が数年から数十年にわたり、長く継続していくことで、最も効果を発揮していきます。
この長期投資をするということが、ポイントの1つとなります。
運用期間が0年から10年ほどまでは、それほど大きく資産は増加しません。
しかし、運用期間が10年を過ぎていくと、複利運用の資産は極端なカーブを描いて、上昇していきます。
さらに効率化を高めるために、積立投資をするといいでしょう。
もう1つのポイントは、予め設定したタイミングで、一定額の商品を購入して、積み立てていくという方法です。
価格が上下する株や投資信託を購入する際、この商品の価格は変動するため、安い時には多く購入でき、高い時には少なく購入することになります。
結果、1株当たりの購入単価が平均化され、価格の変動リスクを抑える効果があります。
まとめ
これから資産形成を行っていく人には、この複利運用のポイントは、欠かせないものになるので、ぜひとも覚えておきましょう。
ただ、先もお伝えしたように、デメリットもありますので、その点を考えて、活用することをお勧めします。
国を挙げて、投資を進めている今の日本において、ぜひ複利を活用した資産形成を、一日も早く始めていきましょう。
ライター馬込 八寛
生命保険、損害保険業界を約15年経験した後、お客様にとって最適な金融商品を提供するため、IFA(独立系金融アドバイザー)へ転身。「資産を1円でも多く増やすためのアイデア」を一人でも多くの人へ伝えるために、日々奔走。来年から始まる高校での授業「投資教育」にて教壇に立つことを目指している。
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