少し前に、クロスワードパズルや数独などの脳トレが、記憶力や思考力の改善に役立つといわれ、ブームになったことがあります。
様々な研究によって、その効果の是非は多くの意見がありますが、私たちの身の回りでも、脳トレを生活の一部に取り入れて、脳の老化を防いだり、認知症の予防に活用している方もいます。
また、小さなうちから、脳トレをさせることで、能力の発達を促進させたりと、幅広い年代で脳トレは人気があります。
身体を鍛える健康ブームの今、身体だけでなく、脳も鍛える脳トレも同時に行い、日々の生活を生き生きとしたものにできたらないより最高です。
ぜひ、自分に合った脳トレや、それを続けるコツを知り、生活に役立ててもらえたら嬉しいです。
脳トレとは?
少し前から耳にするようになった、脳トレですが、最近では様々な方法により、小さな子供から大人で楽しまれているようです。
脳トレとは、脳を使うことで脳に刺激を与え、脳の活性化を促す「能力トレーニング」の略です。
脳トレの目的は、右脳や左脳、前頭葉など、脳の様々な部位を刺激することで、脳の老化を防止したり、脳の能力を維持することにあります。
幅広い年齢層に人気があるのは、生涯にわたって役立つからです。
脳の能力は20歳前後をピークに低下するなど、脳に関する研究は様々ありますが、脳トレは楽しくなければ逆にストレスになり、その効果も損ねてしまいます。
脳の仕組みや、詳しい効果などもお伝えしますが、脳トレの種類も紹介しますので、ぜひ自分に合った脳トレを探してみましょう。
脳の仕組みとは?
脳トレは、脳に刺激を与えることにより、脳を活性化させるトレーニングだとお伝えしました。
脳は、大脳・小脳・脳幹という3つの部分に分かれています。
特に、大脳は物事を考えたり、決めたりする役割を担っています。その大脳をいかに活性化するかが、脳トレのポイントですので、大脳の部分とその役割を解説していきましょう。
前頭葉
前頭葉は、私たちのおでこのすぐ奥にあり、脳の中でも一番目に近い場所にあります。物事を考える、計算する、判断する、創造する、注意する、行動を抑制する、感情をコントロールする、コミュニケーションを図るという働きがある。
その中の、前頭前野という場所は、物事を記憶したり、学習したり、感情をコントロールしたりする役割があります。
側頭葉
この側頭葉は、聞く、言葉を理解する、資格から得た情報を認識する部分です。
頭頂葉
この頭頂葉は、知覚を感じたり、運度したり、読む、書く、話す、計算したり、後頭葉や側頭葉からの情報を統合する役割があります。
後頭葉
この後頭葉は、見ること、そして視覚から得た情報を認識する役割があります。
例えば、道を歩いて、曲がり角が見えたとします。
そこで、トラックが走っている音が聞こえたときに、トラックは見えなくても、トラックが近づいていることを認識します。
そして曲がり角の手前で止まります。このような、いくつもの知覚を統合、判断し、身体を動かすことを瞬時に行います。
このような大脳の部分と役割を見ると、最初に紹介した前頭葉、中でも前頭前野をいかに活性化することが、大切だといえるでしょう。
実際に、前頭前野が活性化することで、老化は緩やかになるといわれています。
効果ある脳トレとは?
先ほど、脳を活性化するには、前頭葉に働きかけると老化が緩やかになるとご紹介しました。
では、前頭葉はどのような時に、活性化するのでしょうか?
ウォーミングアップ
身体を鍛えるためのスポーツでも、始める前に、軽い準備運動をすると身体が良く動くようになりますが、実は脳にも準備運動は効果的であると、明らかにされているようです。
そのウォーミングアップとして適しているのが、音読や単純計算です。
仕事や勉強の前に、音読や単純計算をしてから取り組むと、効果的に仕事できたり、物を覚えられたり、パフォーマンスがあるようです。
さらに、効果を高めるために1つポイントがあります。
それは、音読をする場合には、いつもより速いスピードでするということです。
計算においては、複雑な計算問題よりも、単純な一ケタの足し算や引き算を1、2分間、なるべく多くの問題を解くように、集中して行うことです。
実況中継してみる
一つ簡単に、誰でもできる脳トレは、自分が見ているものを、声に出して実況中継することです。
例えば、職場まで通勤する際、目の前にある街並みや風景、歩く人の様子など、見えているものや、それを見て自分が感じたことを言葉に出して声に出します。
私たちは、普段自分の興味があるものだけを見ています。目から入ってくる情報のほとんどは、意識することなく、スルーしています。
そのスルーしているものを、言葉に出して描写しようとすることは、これまで見過ごしていたものを観察することが必要になります。
そして、それを描写するためには、自分の中にある言葉で表現し、文章として組み立てるという作業も必要です。
観察、言語化、文章化、そして声に出すことで脳を活性化する効果があります。また、自分の声を耳から聞くことにより、聴覚も刺激されます。
1日10分ほど、このトレーニングを続けることで、脳の活性化と同時に、思考力、語彙力、表現力も同時に鍛えられることが実感できるでしょう。
家事は高度な脳トレ
先ほどの実況中継のほかに、身近からところにある脳トレに、家事があります。
これは、一見地味に見えますが、家事は脳を刺激する要素をたくさん含んでいます。
例えば掃除を例にすると、どの部屋のどの部分から片付けるか、捨てるものか取っておくべきものか、取っておくならどこにしまっておこうか、たくさんの選択と判断をする必要があります。
また、いくつかの作業を同時に行う場合、段取りを考えながら、違う作業を並行して行うことになります。
さらに、料理も同様で、メニューを決めることから、材料の調達、準備の方法や順序と、選択、判断、段取りと、五感をフル活用して行います。
さらに、これらを限られた時間の中で行わなければいけませんので、さらに脳は鍛えられていきます。
家事に含まれる日常の雑用を面倒くさがらずに一つ一つ片付けることが、脳の基礎体力を鍛える訓練になります。
暗算する
暗算が脳の活性化にはとても効果があることは、すでに知っているかと思います。
最近は、電卓や表計算ソフトで計算するのが、当たり前になっているので、暗算をする機会はなかなかないのが実情です。
たまに暗算してみようとしても、途中でギブアップしてしまう人もきっと多いことでしょう。
それだけ暗算は、脳に負荷がかかるといえます。
その暗算を、あえて日常生活にとりいれてみるといかがでしょうか。
例えば、買い物に行った際、籠の中身の計算をしてみる、見かけた車のナンバープレートの数字を計算してみるなど、見の周りで見かける数字を足してみることがとても簡単にできるのでお勧めです。
ここで大切なのは、計算して脳に負荷をかけることですので、答えがあっているかどうかは、あまり気にしなくていいということです。
暗記は、脳を鍛えるウエイトトレーニングのようなものです。ちょっと大変かもしれませんが、頑張って続けていくと、じわじわと効果が表れていくことでしょう。
脳トレを毎日続けるコツ
幅広い年齢層に人気の脳トレですが、自分に合った脳トレを探して、それを続けることが最も大切です。
最後に、毎日続けて脳トレを行うコツをご紹介します。
毎日続けるためのポイントは、それを楽しめるかどうかです。
ぜひ実践していきましょう。
苦手だと感じる脳トレはしない
何事もそうですが、消極的に行うよりも、積極的に行ったほうが効果が大きいです。
脳トレも、積極的に行ったほうが効果が高まります。そのために大切なことは、ストレスを感じないようにすること。
ストレスの原因は、苦手意識や面倒くさいという意識から生まれます。
せっかく脳を活性化させようと始めた脳トレなのに、それが原因で、ストレスを抱えてしまっては逆効果です。
脳トレは、ネットなどで検索すると、たくさんの種類があります。
たくさんある中から、自分が苦手でないもの、できれば楽しくできるものを選択して行いましょう。
いくつかの脳トレをローテンションする
自分に合った脳トレを探しても、同じことをずっとしていると、どうしても飽きてきます。
飽きてくると、それがストレスになりかねません。
また、続けるモチベーションも低下してしまいます。自分が楽しめそうな脳トレを探す際、1つではなく、数種類の脳トレを探して、ローテーションさせることをお勧めします。
私たち人間の思考は、集中できる時間に限りがあります。
集中力が切れたタイミングで、他の脳トレに移れば、飽きずに脳トレできるでしょう。
すきま時間を使う
脳トレをするために、〇曜日の〇時からするという風に、あらかじめ時間を作ってやろうと考えると、逆に構えてしまって、重い腰がなかなか上がらないことがあります。
そのような人は、わざわざ脳トレの時間を決めて、作るのではなく、すきま時間を使って行うことをお勧めします。
たくさんある脳トレのうち、スマホでできる脳トレをすれば、電車の中、昼休み、待ち合わせまでの時間と、空いた時間を活用して行うことができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
最近は健康ブームで、身体を鍛えたり、自分をきれいに、またかっこよく見せたいという人がとても多くなってきました。
このような人は、日常仕事をしながら、すきま時間に継続して行うことで、そのような身体を作り上げていきます。
脳トレも、これと同じです。
いつまでも、若々しい発想、想像力を維持できるように、日々の脳トレにも励んでみるといいでしょう
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