40代というと、サラリーマン人生も押し返し地点になり、会社の評価、今後の生き方について気になる時期。
将来を見据えて、ライフプランを練り直す時、あなたは、どういう自分を想像していますか?
将来を考えることはとても楽しいことですが、絶対に切り離すことができないテーマの一つに、「お金」の問題があります。
こういうと、「バリバリ働いてお金を貯めるぞ!」と考える方も多いですが、少し視点を変えて、「お金にも働いてもらう」という考え方を取り入れるのはどうでしょうか?
世界的にみても有給取得率が悪く、働くことが好きという私たち日本人には、少し違和感のある言葉かもしれませんが、将来を考えるためには、大切なエッセンスになるでしょう。
お金持ちになれない理由とは?
誰しも一度は、「お金がたくさんあれば」と考えたことがあるでしょう。
それだけ私たちは潜在的に、お金に関する心配をしているといえます
そんなあなたに、お金持ちになるための答えを、科学的に証明した人を紹介しましょう。
2014年にベストセラーになった、「21世紀の資本」の著者、フランスの経済学者、トマ・ピケティ氏です。
彼が導き出した、お金持ちになる1つの答えが、
「r>g」
これは、資産運用により得られる富(r)は、労働によって得られる富(g)よりも、成長が早いということを意味します。
この本では、「資産」の定義を、資産運用のためのお金に限定せず、その人が持っているキャリア、ノウハウ、人脈、知識など、自分の価値を高めてくれるものとしています。
自分自身を資産と考えれば、社内でより高いポジションを目指すこと、副業や起業をするということも、1つの資産運用といえるでしょう。
ただ、自分自身に投資する資産運用よりも、お金を投資して運用することのほうが、よりお金が増えると証明されている以上、自己実現のためには、この考え方を取り入れない手はないでしょう。
お金を働かせるということ
私たちが住んでいる日本において、就業者は約6500万人。
その8割がサラリーマンというデータがあります。
サラリーマンは、会社から給料をもらっていますが、会社は何に対して給料を払っているのでしょうか?
答えは、「時間」と「能力」です。
長く働けば、その分給料は増えますし、能力が高ければ、給料の単価が増えます。
このことを労働収入といいますが、ここで少し視点を変えて、お金の増やし方を考えてみます。
それは、労働収入のように、自分の時間と能力を直接使うのではなく、お金に働いてもらうという考え方です。
例えば、銀行にお金を預ける場合を考えてみましょう。
通帳記帳に行くと、たまに利息1円などと書かれているのを、見たことはないでしょうか?
これは利息という形で、お金が働いて稼いだお金ということになります。
このような状態を作ることが、お金に働いてもらうということです。
例に出した、銀行への預金は、今の日本において、お金が働いて稼いでくれる金額としては、かなり低いモノになりますが、どのような環境にお金を投入するのかが、とても重要になってきます。
効率よくお金を働かせるために、どこにお金を投入したらいいか、一般的には「株式投資」が、効率がいい投資だと言われています。
それはなぜか?
その理由を解説します。
時間を有効に使う
株式投資を始めた方は、このような後悔の言葉を言う方が多いようです。
「早く始めておけばよかった」
これは何を意味するかというと、資産運用においては、長期的に投資をしていくことがお金を増やすために、とても需要なポイントということです。
株式投資の特徴として、短期的には値上がりと値下がりを繰り返しますが、長期的に見ると値上がりを期待できるというものがあります。
それは、長期的な観点で世界経済を見ると、人口増加と技術発展と共に、常に成長していくからです。
株式投資は、継続的に成長する見込みのある会社へお金を出資して、その会社が成長することに合わせて、自分のお金も増えていくというものです。
短期的な視点ではなく、時間をかけて長い視点でお金を増やしていく、という考え方を持つことはとても大切です。
複利の力を知る
先にお伝えした、時間を有効に使うことと併せて、資産運用に欠かせないポイントは、「複利の力」を知るということです。
複利とは、運用で得た収益や利息を、再び投資に回すことで利息が利息を生んで、どんどんお金が増えていくことを言います。
この複利の力を使いながら、さらに時間をかければかけるほど、お金の増え方が大きくなります。
複利の計算でよく使われる「72の法則」を使って計算をすると一目瞭然です。
これは、資産を倍にするための年数を計算する法則です。
「72÷金利=お金が2倍になる期間」
ですので、3%で運用すると、24年かけて資産が倍になります。8%で運用すると、9年で資産が倍になります。
低い金利でも、時間をかければお金を増やすことができますし、高い金利であれば、お金が増える時間を短縮させることが可能になるということです。
逆に、元本に対してのみ利息が付く単利と比較してみます。
単利でお金が倍になるために必要な年数を求める、100の法則は、
「100÷金利=お金が2倍になる期間」
となります。
3%で運用すると、約34年かけて資産が倍になります。
複利の場合と比べるとどうでしょう。なんと、10年の開きがあります。これだけ複利の力は大きなものになります。
まとめ
自分が働いてお金を稼ぐことも、生きがい、達成感を感じるためには、とても大切なことです。
しかし、お金にも働いてもらうという考え方は、もしかするともっと大切かもしれません。
ただ、「よし、資産運用を始めよう」と思っても、次に出てくる疑問は、「何から始めたらいいの?」です。
そんな方は、まずは小さいお金からでいいので、とりあえずやってみることをお勧めします。
そうやって自分で情報収集していくうちに、良いアドバイザーに出会ったり、正しい考え方を知るということにも繋がっていきます。
※当記事は情報の提供を目的としており、投資などの行動を誘導する目的で公開しておりません。また、当記事の記載内容に関するご質問には、一切お答え致しかねますので、ご了承お願い致します。
ライター馬込 八寛
生命保険、損害保険業界を約15年経験した後、お客様にとって最適な金融商品を提供するため、IFA(独立系金融アドバイザー)へ転身。「資産を1円でも多く増やすためのアイデア」を一人でも多くの人へ伝えるために、日々奔走。来年から始まる高校での授業「投資教育」にて教壇に立つことを目指している。
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