戦争と株価の関係は?株価に翻弄されないためのたった一つのルール

戦争と株価の関係は?株価に翻弄されないためのたった一つのルール金融・投資

昨年末から下落傾向の株価は、未だ不安定なままです。

投資をしている人にとっては、日々の株価の動きに翻弄されている人も、多いのではないでしょうか?

そんな中、ロシアによるウクライナ侵攻が始まりました。

この不安定な株価がいつまで続くのだろう、戦争が長引けばこの状態も、それに伴って続くのではと、不安になってしまいます。

はたして、戦争と株価の関係はどのようなものか、ぜひ一度確認してみましょう。

戦争と株価の関係

ロシアがウクライナ侵攻を始めた、2022年2月24日、アメリカのS&P500、ナスダック、ダウ工業株、いずれの指数も上昇しました。

年末から続く株価の下落に、このロシアによるウクライナ侵攻が、拍車をかけていると考えている人は、きっと多いのではないでしょうか?

しかし、それが本当であれば、ウクライナ侵攻が始まった2月24日、きっと株価は下がっていたに違いありません。

しかし、現実はそうではありませんでした。

戦争と株価は、何か関係があるのか?

今回は、過去に起きたいくつかの戦争と、アメリカのS&P500の株価の動きを、検証してみようと思います。

戦争が起きているとき

過去に人類は2度の大きな戦争を経験しています。1914年7月から1918年11月まで、約4年3カ月続いた第一次世界大戦。

1939年9月から1945年8月まで、約6年間続いた第二次世界大戦。

具体的に、S&P500のチャートはどうだったのか見てみましょう。

第一次世界大戦
1914年 7.47ドル
1915年 10.7ドル
1916年 10.34ドル
1917年 7.96ドル

第二次世界大戦
1939年 12.49ドル
1940年 10.58ドル
1941年 8.69ドル
1942年 9.77ドル
1943年 11.67ドル
1944年 13.28ドル
1945年 17.36ドル

第一次世界大戦では、約7ドルから10ドルの間を行ったり来たり。

第二次世界大戦では、一度1942年に9ドルほどまで落ちていますが、その後は上昇しています。

逆に、戦争がなかった時のS&Pの動きを見てみましょう。

戦争が起きていないとき

第一次世界大戦、第二次世界大戦と、どちらの対戦にもかかわっているアメリカですが、アメリカが戦争をしていなかった時の、株価はどう動いていたのでしょうか。

1920年 7.64ドル
1921年 8.02ドル
1922年 9.54ドル
1923年 9.11ドル
1924年 11.3ドル
1925年 13.92ドル

1920年から上昇し、一度1923年に9ドル近くまで下落しますが、それからは上昇し続けています。

いかがでしょうか?

戦争時の株価の動き、戦争中でないときの株価の動き、これらに何か違いはあったでしょうか?

第一次世界大戦、第二次世界大戦は、世界中の国々を巻き込んだ大きな戦争だったので、株価が大きく下がると推測した人も、多かったでしょう。

しかし、戦争中だからと言って、株価が一方的に下がり続けるということは、全くありませんでした。

株価は常に、上がったり下がったり、ただそれを繰り返しただけでした。

経済が成長すれば、株価も成長する。

ただこの真実が、淡々と行われた結果を表しています。

株価とは

しつこいようですが、戦争が起きたからとって、株価が下がり続けるということはありません。

2001年の米国同時多発テロ、
2001年からのアフガニスタン紛争、
2003年からのイラク戦争など、
他にも有事はありました。

しかし、株価が下がり続けたという事実はありません。

米国同時多発テロ時には、一時S&P500は大きく下落しました。

約1100ドルから950ドル付近まで、約14%下落しましたが、1か月後にはもとの水準まで回復しています。

逆に、2008年のリーマンショックの影響の方が、下げ幅が大きいかもしれません。

それでも、その後の株価は大きく上昇していきました。

株価は、私たちの期待や不安とは裏腹に、ただただルールに従って動くだけです。

そのルールとは何か?

それは株価が上がるルールを考えるととてもシンプルです。

株価は、需要と供給のバランスです。

必要とされる会社が増えれば増えるほど、その株価は上がっていきます。

会社は私たちの生活がよりよくなるように、日々成長を続けています。

つまり、私たちがよりよく生きたいという欲がある限り、会社は成長していきます。

そう考えると、戦争や世界恐慌は、会社の成長や発展に欠かせない、きっかけにすぎないのかもしれません。

まとめ

今なお続く株価の下落は、戦争が起きていることとは、関係ないということをお伝えしました。

それでも、納得いかないという人もいるかもしれません。

その場合は、戦争以外で、株価が下がっている理由はないのか、その理由を探してみることをお勧めします。

株価がどうして上がったり、下がったりするのか、その仕組みを良く知り、私たちはその動きに振り回されないように、しなければいけません。

ライター馬込 八寛

生命保険、損害保険業界を約15年経験した後、お客様にとって最適な金融商品を提供するため、IFA(独立系金融アドバイザー)へ転身。「資産を1円でも多く増やすためのアイデア」を一人でも多くの人へ伝えるために、日々奔走。来年から始まる高校での授業「投資教育」にて教壇に立つことを目指している。

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