確実に目標達成をするために、とてもシンプルな方法をご存じでしょうか?
if-thenプランニングは、もしかしたらすでに取り入れている人もいるかもしれませんが、実は、目標達成率を3倍に高める方法です。
すでに活用している人には、さらに効果を上げる方法を、ご存じでない人には、if-thenプランニングのやり方と、メリット、その効果をご紹介します。
if-thenプランにングとは?
言葉としては、あまり聞いたことがない手法かもしれませんが、実際には多くの人が、何か目標達成したいときに使っている、このif-thenプランニング。
1990年代に、ニューヨーク大学の心理学者、ピーター・ゴルヴィツァー教授が行った実験で、目標達成するための行動を、「いつ、どこで、どのように行うか」事前に計画しておくだけで、目標達成率が40%も上がったとのこと。
そのことが、エリック・パーカー氏が、「残酷すぎる成功法則」で紹介しています。
このif-thenという言葉ですが、「もし~するならば、その時は~する」と直訳されます。
わかりやすく言うと、「もしXが起きたら、行動Yをする」
これを、「条件型の計画」といい、ある条件である、いつ、どこで、どんな時と、行動を結び付けるだけのシンプルな計画です。
具体的には、「お風呂から上がったら、ストレッチを10分間だけする」
「イライラしたら、深呼吸を3回する」
もしかしたら、知らず知らずのうちに、日常の中に習慣として取り入れたりしているかも知れません。
このif-thenプランニングに関する研究の対象は、仕事の効率や貯金の仕方など、日常的なものが多いです。
また、別にはメンタル改善にも効率があるそうで、とても幅広いジャンルで効果が証明されていることが特徴です。
if-thenプランニングの効果
とてもシンプルなif-thenプランニングですが、その効果は抜群です。
先ほどもお伝えした通り、とても幅広い領域で調査がなされ、その効果も実証されています。
ある調査によると、if-thenプラン二ングは、特に達成が難しい目標において、成功の可能性を3倍も高めてくれると、結論づけられています。
その例としてこのようなものが挙げられます。
レポート課題への取り組み、2.3倍
運動習慣の確立、2.5倍
乳がん検診の受信、2.0倍
特に、乳がん検診では、if-thenプランニングの有無で、このように大きく差が出たようです。
if-thenを実施した人は100%の受診率
if-thenを実施しなかった人は53%の受診率
このように大きな効果があるif-thenプランニングですが、どのようなメリットがあるのか、具体的に紹介していきましょう。
if-thenプランニングのメリット
どうしてこのif-thenプランニングは、大きな効果が得られるのでしょうか。
その答えは、人間の脳神経の仕組みに関係があります。
ズバリその答えは、脳がXならばYを実行するという命令に反応するようにできているからです。
この脳が反応する形に添って、事前にプランニングしておくことで、Xという実行のタイミングが訪れたときに、自然とYという意識が向くようになります。
例え、ほかのことで頭がいっぱいだったとしても、脳が瞬時に気づいて反応してくれるので、見逃すリスクが大幅に減ります。
脳は、あらかじめ実行に移すきっかけを決めておかないと、実際にいつ取り組めばいいのか、認識ができません。
やりたいと思っているけれど、実行に移せないという状況が続くのは、そのきっかけを定めていないからに他なりません。
つまり、if-thenプランニングのメリットは、実行に移すタイミングを逃さず、確実に行動するように脳に仕向けることができる点にあるといえます。
if-thenプランニングの効果
私たちが日常生活を送るうえで、こういうところを改善したい、個々がなくなればもっといいのに、といったことがよくあることです。
幅広い領域で活用できると、お伝えしてきましたが、実際にどのようなことに効果があるのか、具体的に紹介していきます。
考えすぎることを防ぐ
何時間もかけて作った計画が全くその通りに行かなかった、という経験はだれしもあることでしょう。
目標や計画を立てている段階では、「なんだかやれそう!」と思っているのですが、いざやろうと思うと、モチベーションが上がらなくて続かない、というケースです。
計画というのは、目標を達成するためには必要なツールですが、そこに力を入れすぎた結果、行動に移す時には疲れてしまい、やる気が失われてしまします。
また、計画をしすぎてしまうと、計画を崩すことが嫌になり、計画がうまくいかないとどうしようと、余計に悩んでしまいます。
このような、「考えすぎ」が目標達成を妨げてしまいます。
if-thenプランニングは、「考えすぎ」と対極にあります。
if-thenプランニングの計画は、行動に移すための条件を決めること、ただこれだけです。
目標達成には、行動することが一番大切です。
この行動を促すための、シンプルな条件こそ、目標達成率を劇的に上げるのです。
if-thenプランニングは、考えすぎを防ぎ、目標達成のためにすぐに取り組むことができることが大きな特徴だといえます。
習慣を身につけやすい
良い習慣は、目標達成にはとても重要だと多くの偉人は語っています。
成果を上げることは一つの習慣である。習慣的な能力の蓄積である。習慣的な能力は、常に習得に努めることが必要です。習慣になるまで、いやになるほど反復しなければならない。
これは、マネジメントで有名なピーター・ドラッガーの言葉です。
このように、何か目標を成し遂げたいときに、目標達成につながるような、習慣を身につけることが大切です。
if-thenプランニングは、良い健康習慣を身につけることにも、良い効果があったという研究結果もあります。
目標を決めて計画を立てることは、「習慣を意図的に作る」ことです。
if-thenプランニングは、シンプルな計画ゆえに、条件と行動が頭の中で結び付けられやすく、行動を習慣化しやすいのです。
条件が来たら、行動するという、シンプルさゆえに、どうしようかと悩むことなく、意志の力をあまり使わないで済む、ということも、習慣化に効果がある理由といえます。
日本人への好効果
「防衛的ペシミスト」という言葉を聞いたことがありますか?
防衛的ペシミストとは、それまでどれだけ成功していても、次は失敗してしまうかもしれない、と考えるタイプのことを言います。
要は、ネガティブ思考です。
実はこの防衛的ペシミストは、日本人の98%が該当するそうです。
一見悪いことばかりに聞こえますが、実はそうではなく、不安に対して慎重に向き合う問うことでもあるので、リスクマネジメントに優れていたり、不安だからこそ物事に向き合い、取り組むので、記憶力や集中力も高いとされます。
まじめで勤勉といわれる、日本人の国民性は、文化的な背景だけでなく、このような遺伝子レベルでの性質からもそう言えるようです。
反対に、ポジティブに物事を捉える人を戦略的オプティミストといいますが、このタイプの人は、何事もきっと大丈夫と考え、すぐに行動に移せるという性質があります。
その分、失敗もしますが、すぐに立ち直って次の行動に移れるのが、このタイプの人です。
防衛的ペシミストは、不安を感じやすい分、準備や段取りをすることで、結果的に行動に対する成功率は高くなる傾向にあります。
もし、自分は戦略的オプティミストだと、思うのであれば、どんどん行動していけばいいと思います。
しかし、自分は防衛的ペシミストかもしれないと思うのであれば、行動の前に準をすることで、納得した行動をとるようにしてみるといいでしょう。
どうしても性質上考えすぎる部分があるので、そういう時こそ、if-thenプランニングで、考えすぎない程度の最低限の準備を心掛け、行動に移していくのがおすすめです。
if-thenプランニングの効果をさらに上げるコツ
少しこのif-thenプランニングを活用して、良い成果が出ると、どんどん行動に移せると思います。
そういう方のために、もっとこのif-thenプランニングを使い、さらにその効果を上げるためのコツを紹介していきましょう。
目標達成を妨げる状況を見つける
私たちは、日々無意識の習慣で日常を送っています。
例えば、お風呂で最初に洗うのは頭からで、その次に左腕、首、右腕、、、
このようなことを、毎回意識してやっている人はほとんどいないでしょう。
習慣になっているからこそ、無意識に手が動いて、毎回同じ順番で体を洗っているのだと思います。
このように、習慣は無意識のうちに行っていることが多く、意識しないと、自分がしていることなのに、知らず知らずやっていることが多々あります。
その中に、無意識のうちに、目標達成を妨げるように行動をとったり、そのような状況を作っている場合があります。
もしそのようなことがあれば、その行動や状況を意識して見つける必要があります。
例えば、タバコをやめたいと思いながら、それでも吸っている人がいます。
その場合、タバコを吸いたくなるのがどんな状況かを知ることが大切です。
・イライラしたとき
・少し時間ができて暇になったとき
・何かを済ませた後
そのような状況の後、タバコを吸うという行動が習慣化されているのであれば、その悪い行動を、新しい行動に習慣化するといいです。
イライラしたらタバコを吸う、
を、イライラしたら、ガムを噛む
という風に、
行動を置き換えるのです。
この時にやってはいけないことは、新しい行動として、「~しない」を行動に置き換えることです。
人は、考えないようにすればするほど、そのことについて考えてしまいます。
ですので、「~しない」ではなく、全く新しい高度に置き換えることがとても重要です。
ifはすでに身についている習慣にする
if-thenプランニングを考えるときに、ifの部分を、すでに自分の中で身についていることや、習慣になっていることにすることをお勧めします。
例えば、新しい目標として、筋力トレーニングを習慣化したいとします。
その際、毎日行う歯磨きをifにするのです。
歯磨きをしたら、筋トレをする、のように、毎日必ずすることと、目標達成につながる行動をセットにすると、習慣が後押しして、新しい行動を続けやすくなるのです。
さらにポイントを言うと、ifのあとのthen行動は、具体的でシンプルな条件が効果的です。
朝起きたら、リビングに移動、移動している間にペットボトルの水を取り、椅子に座るまでに、2口飲んで瞑想をする
このように、あれやってこれやってのような、複雑な行動は避けるべきです。
if-thenの鉄則である、Xが起きたら行動Yをするというルールを守ることを忘れなければいいです。
行動は複数用意しておく
then行動のポイントとして、複数準備をしておいて、選択肢を持たせることがポイントです。
毎日続けるにあたって、その日の気分や体調はとても重要です。
行動に選択肢を持たせることで、やりやすい方を選ぶことができ、行動が継続しやすくなります。
その選択肢として、さらにポイントをお伝えすると、ハードなものとイージーなものの2段構えがいいようです。
ハードの部分には、目標達成に最もつながるであろうことを入れ、きつくてもこれならできるということを、イージーの部分に要しておきます。
目標達成には、行動を継続していくことが最も大切です。
毎日のモチベーションを維持するために、どうしてもできそうにない日に、簡単な課題であれば、気持ち的にも安心するかと思います。
まとめ
簡単でシンプルな計画こそが、目標達成をするには効果的に方法というのは、とても驚きだと思います。
しかし、今回の記事を読んでいただくと、その意味がよく分かったのではないでしょうか。
最後にお伝えした通り、習慣は継続することがとっても大切です。
このif-thenプランニングを活用し、あなたの目標達成に向けて、ぜひ考えすぎないプランを立ててみてはいかがでしょうか。
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