令和元年に金融庁が、みずほ総合研究所株式会社に依頼した、
「独立系ファイナンシャルアドバイザーに関する調査研究」
金融リテラシーの向上とともに、金融サービスの提供の担い手として、IFAが注目されるだろうという記述がありました。
すでにアメリカでは、このIFAが個人の資産形成の担い手として、大きな役割を担っています。
私たち日本人は、これまでの銀行、証券会社などの、金融機関とは異なる窓口の存在を知ることで、自分の資産をどのような人に任せるべきか、選択肢が増えることは大きなメリットです。
このIFAが、どのようなサービスを行ってくれるのか、果たして私たちの資産を、任せることができる存在なのかどうか、見極めていきましょう。
IFAとは?
令和元年委に公表された、金融庁の
「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)に関する調査研究」
によると、アメリカはIFAの数は約13万人、それに比べ日本ではまだ、約4000名とのこと。
日本においては、まだまだ増加中ですが、私たちの周りでIFAを名乗る人が少ないのは、この数を見たらよくわかります。
このIFAの特徴は、
・特定の金融機関に所属しない
・自社運用商品販売のしがらみがない
・金融機関のようなノルマに基ずく営業がない
・転勤がなく、顧客と長期的な接点が持てる
・金融機関の代理人ではなく、顧客の代理人
とされています。
より具体的に言うと、株や債券・投資信託といった、具体的な金融商品の提案や売買の媒介ができます。
最近では、税理士や不動産仲介業、保険代理店など、他の業種と兼業する人も増えています。
このIFAの多くは、内閣総理大臣の登録を受けた、IFA法人と呼ばれる、金融商品仲介業者に所属しています。
このIFA法人は、特定の証券会社や金融機関には属せず、中立性を重視しています。
また、IFAの収入源は、顧客からのアドバイス料などの報酬がメインではなく、顧客が証券会社に支払う、販売手数料と信託報酬などに基づいた、業務委託報酬が中心です。
顧客に満足してもらい、信頼を積み重ねることが、結果的にIFAの報酬とつながるため、親身で中立的な立場に立った、アドバイスを受けることができます。
IFA注目される理由
このIFAですが、最近注目されているのには理由があります。
その一つが、コスト体系が有利な点です。
かつては、投資信託や株での資産運用をする場合、証券会社や銀行などの金融機関への相談が主でしたが、その際、営業マンのノルマ達成のために、投資家のニーズやリスク志向に合わない売買、いわゆる回転売買を行っていました。
しかしながら、金融庁による金融商品の販売体制改革が行われ、2017年に金融庁が公表した、「顧客本位の業務運営に関する原則」では、実質的に回転売買をできないようにしました。
これにより、提携金融機関からの手数料だけが、主な収入源だけではなく、投資家からの投資残高に応じた報酬をもらうような、報酬体系になってきている点もあり、より顧客の利益のために役立てる、IFAの環境になってきてるようです。
そのほかの理由として、長期にわたる関わり合いが可能な点です。
このIFAの存在が、既に確立されているアメリカでは、資産の「かかりつけ医」のように、活用しているケースも多くあるようです。
実際に、金融商品の対面販売においては、半分以上がIFA経由とのことです。
金融機関に属さないIFAには、当然ですが異動や転勤などはありません。
証券会社や銀行と違って、IFAは個人と個人の付き合いが基本となります。
もちろん、投資家に信頼されなければ、IFAとしての存在理由はありません。
そのIFA自身を、信頼できるかどうか判断したうえで、資産を任せることができるかどうか選択できる点は、大きなメリットといえます。
FPとIFAの違い
資産運用の相談相手として、ファイナンシャルプランナーを思い浮かべる人も、多いことでしょう。
IFAとFPでは、投資家に対してできるサービスが全く違います。
その違いを確認しておきましょう。
IFAとFPで、大きく違う点は、具体的な金融商品の提案や取引の媒介を、行えるかどうかです。
IFAは、金融商品仲介業者として登録しているため、それが可能ですが、FPはというと、相談は受けることができても、具体的な金融商品に関する話はできません。
FPができる主なサービスは、ライフプランや人生設計に重きを置いた、総合的なお金に関する相談に、特化しているといえます。
まとめ
まだまだアメリカほどではないにしても、少しずつIFAの数も増えつつある日本。
日本も国を挙げて、「貯蓄から資産運用へ」を推進している現状の中、ますますIFAのようなアドバイザーの役割は、重要になってくることでしょう。
あなたの周りには、IFAはいるでしょうか?
ぜひ一度、そのようなサービスを受けることができるかどうか、探してみてはいかがでしょうか?
ライター馬込 八寛
生命保険、損害保険業界を約15年経験した後、お客様にとって最適な金融商品を提供するため、IFA(独立系金融アドバイザー)へ転身。「資産を1円でも多く増やすためのアイデア」を一人でも多くの人へ伝えるために、日々奔走。来年から始まる高校での授業「投資教育」にて教壇に立つことを目指している。
コメント