資産運用の世界では、「リスク」を切り離して考えることはできません。
それが理由で、「ちょっと資産運用は手が出せない」という方も多いでしょう。
しかし、このリスクを怖がっていては、先の明るい未来のために、動き出すことは難しいでしょう。
リスクを正しく理解し、そして、それをうまくコントロールすること。
これができるようになると、「リスクが怖い」という意識は少なくなってくることでしょう。
投資は学びつつけることが大切ですが、その第一歩になれば嬉しいです。
投資のリスクとは?
投資におけるリスクには様々ありますが、「リスクが伴わずにリターンはない」というのが、投資の世界では常識となっています。
よく投資のパンフレットを見ると、価格が動く要因のことがリスクと表記されています。
「〇〇リスク」という表示を見たら、この理由で価格が動くと考えるといいでしょう。
良く表示されるリスクを以下に紹介します。
「価格変動リスク」
国内、国外の政治や経済情報など様々な要因により、市場での需給関係が変化し、投資商品の価格が上がったり下がったりするリスク。
「為替変動リスク」
日本では円、アメリカではドルのように、それぞれの国において通貨が存在します。それらを交換するのに使う仕組みを為替といいますが、その相場の変動により、投資商品の資産価値が変動するリスク。
「金利変動リスク」
金利の変動により、債権や株式の価格が変動するリスク。
「信用リスク」
国の財政悪化や企業業績の悪化、倒産により、国際・社債の価格が変動するリスク。
「流動性リスク」
換金したいタイミングで、投資商品を売却することができないリスク。
「カントリーリスク」
投資した国の情勢や紛争・戦争などにより、経済が不安定になるリスク。
これらのリスクは、投資商品であれば少なからず存在しますが、これらのリスクを軽減する方法も存在します。
このリスクについて、もう少し理解を深めるために、次のことも知っておくといいでしょう。
リスクとリターン
投資におけるリスクとは、別の記事でもお伝えしたように、「不確実性」のことを言います。
「この先どうなるかわからない」ということですが、一般的には「損をする可能性」ということになるでしょうか。
「リスク=損をする」という認識では、リスクを理解したということにはなりません。
正確に言うと、「リスクは、ブレ幅の大きさ」と言い換えることができます。
実は、予想よりも収益が出ることもリスクと言います。
ですので、「リスクが高い」という状態は、「大きく儲かる可能性もあるけど、反対に大きく損をする可能性がある」ということになります。
また、よく投資を語るうえで出てくるワードに、リターンというものがありますが、この「リスク」と「リターン」の関係を知っておくこともリスクを減らす上でとても大切です。
よく「ハイリスク、ハイリターン」という言葉を聞きますが、この本当の意味を知っている人はあまりいません。
投資の世界の中では、リスクというのは、「価格の振れ幅があること」とお伝えしました。
例えば、
Aという商品は、1000円から2000円の間で変動
Bという商品は、500円から4000円の間で変動
この場合、AよりもBの方が価格の振れ幅が大きいので、リスクが大きいと理解します。
ですので、予測よりも大きな損益が出ることももちろんリスクですが、大きな収益が出ることもリスクになります。
逆にいうと、大きなリスク(変動、ブレ幅)を許容しないと、大きなリターン(利益)を得ることはできないということです。
リターンは、「リスクと引き換えに手に入れられるもの」と言い換えることができます。
では実際に、具体的な投資商品をもとに見てみましょう。
預貯金は、値動きはほとんどありませんし、その代わりのリターンもありません。ローリスク、ローリターン。
債権は、預貯金と比べると少し値動きがあります。リターンも少しあります。ローリスク、ローリターン。
株式投資は、投資した企業の成長に大きく左右されますので、変動幅はピンキリです。ハイリスク、ハイリターン。
このように投資商品ごとに、様々なリスクとリターンの関係が存在します。
ここで知っておくべきことは、投資の世界では、「ローリスク、ハイリターン」というものはないということです。
時折ニュースで流れる投資詐欺は、このローリスク、ハイリターンの典型です。
簡単に設けるという投資はありませんし、投資の結果は時間が経たないとわかりません。
もしそのような話があれば、断固として断るべきでしょう。
まとめ
いかがでしたか?投資におけるリスクの全容は、お分かりいただけたでしょうか?
「リスク=ブレ幅」です。
投資においてあなたに求められるのは、そのリスクが自分に許容できるブレ幅なのか、的確に判断することです。
単なる気持ちの問題ではなく、現実的な経済的余裕があるか、経済的体力があるかを見つめることが大切です。
こういうことができるようになれば、投資の成功率が上がると当時に、あなたの将来にも、きっといい影響をもたらしてくれることでしょう。
※当記事は情報の提供を目的としており、投資などの行動を誘導する目的で公開しておりません。また、当記事の記載内容に関するご質問には、一切お答え致しかねますので、ご了承お願い致します。
ライター馬込 八寛
生命保険、損害保険業界を約15年経験した後、お客様にとって最適な金融商品を提供するため、IFA(独立系金融アドバイザー)へ転身。「資産を1円でも多く増やすためのアイデア」を一人でも多くの人へ伝えるために、日々奔走。来年から始まる高校での授業「投資教育」にて教壇に立つことを目指している。
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