近年話題になっているFIREムーブメントについて、さまざまなところで情報発信されています。
先日、日本において発売された「Your Money or Your Life」の日本語版ですが、その本を読み進めると、具体的なステップが書かれています。
それだけ再現性が高い、と思えるような内容になっているのですが、いざ実行に移すとなると、なかなか続かなかったり、途中でやめてしまうということもありえます。
しかし、FIREの考え方は、それを達成する、しないに関わらず、これから長い人生を生きるためにも、たくさんのメリットを感じることができるものです。
ぜひ、FIRE達成のためのステップと併せて、その考え方もしっかりと学んでいきましょう。
FIREについて
FIREは、その言葉の通り、経済的独立を達成(Financial Independence)し、早期退職(Retire Early)をする考え方です。
アメリカで流行ったこの考え方は、今では日本にも情報が渡り、特に20代から30代の若者も注目しているようです。
どのようなことにも共通することですが、何か目標を達成したいのであれば、まずは達成した状態をイメージし、それまでのステップを分析、計画を立て、一つ一つの段階をクリアしていくという、分かりやすいセオリーがあります。
漠然と夢を追い求めていても、本当に夢で終わってしまうものです。
このFIREを達成することも同様で、もし自分の人生にFIRE達成が必要であれば、これからお伝えするステップを自分なりに考え、行動することをお勧めします。
FIRE達成の具体的ステップ
FIREを達成し、自分の好きなことをして、人生を過ごしたい人のために、どのようなステップがあるのか、3つのステップに分けて解説していきます。
家計を黒字化する
FIREを誤解してはいけないのは、ただ単にお金を増やせばいい、というものではないということです。
FIREの考え方が、多くの人に受け入れられている理由は、この考え方を自分自身に問いかけることで、お金に関すること、今の生活に関すること、今後の人生に関すること、について、きちんと自覚ができるようになるからです。
人生で生きるために必要なことを、再確認することで、自分の働く意味や大切なモノを、より大切にすることができるようになります。
最初のステップは、支出を収入以内に抑えることです。
毎月の支払いをクレジットで済ませ、ボーナス時にまとめて清算している、というのは、ツジツマは合っているようですが、実は慢性赤字という現実です。
自分に見合った生活水準を知るためにも、このステップはとても大切です。
いくらお金を貯めても、生活費にかなりの支出があれば、すぐに貯めた資金も底をついてしまします。
ですので、この時点ではまだお金を投資に回す、という必要はありません。
日々の生活の中で、本当に自分の生活に必要なものかどうか、毎月の固定支出で不要なものはないか、見直ししてみると、意外と無駄なものにお金を払っていた、ということにも気づけるのかもしれません。
資産額を増加させる
家計の黒字化が実現できたら、後は時間の問題かもしれません。
一般的に私たちはどこかの時点でリタイアします。
日本では65歳か70歳か、このリタイアのタイミングが早いか遅いか、FIREはこのタイミングが数十年早いだけです。
こう考えると、FIREに向けて一日でも早く資産形成を始めた人ほど、早くリタイアできるということです。
そして、FIRE達成する時間を早めたければ、貯蓄率を上げることです。
一般的には、収入が多い人ほど生活レベルが高いです。
貯蓄率とお伝えしたのは、年収が多くても、身の丈に合った生活をしていては、資産運用に回せるお金を貯まらないからです。
そして一度上がった生活レベルは、なかなか下げることができません。
FIREを達成した共働きのご夫婦は、収入の8割を貯蓄に回していた、という人もいます。
お金を使うモノやサービスへの価値観は、人それぞれですので、自分の幸せを削るような節約は必要ありませんが、自分なりの節制のレベルを見極めながら、貯蓄、資産運用をしていきます。
日々の節制と、毎月の貯蓄率を安定させると同時に、FIRE達成には欠かせない、資産運用を始めていく必要があります。
資産運用、特に株式投資、投資信託による運用は、どうしてもリスクが伴いますので、日々の値動き等により一喜一憂することもあります。
いくら長期運用とは言っても、一時的に20%、30%の暴落があると、「売ってしまえ!」と、お金がもっと減るのではないかという怖さから、投資を止めてしまうこともあり得ます。
このリスク許容度を鍛えていくことも、とても大切なステップです。
過去の金融危機は幾度とあり、今現在も進行中なのは、コロナショックですが、この状況下でもうまく資産を増やした人も、一定数居ることは事実です。
この投資の学びは、FIRE達成した後も続きますので、日々試行錯誤しながら進むしかありません。
最終的には、投資による収益が、年間の生活費をまかなえるレベルにまで、上げていく必要があります。
このステップでは、年間の投資による収益が、年間の投資額を超えるレベルまでになるところまでを、1つのゴールとしておくといいでしょう。
資産を取り崩す
最終ステップは、年間の投資による収益が、年間の生活費を超えるレベルになること、そして、できるだけ手元の資金を減らさないように、投資先の場所を考えて運用していくことです。
この頃には、事実上FIRE達成となり、自由な時間も手に入れ、本当に自分やりたかったこと、を進めることができます。
これまで働いてお金を貯める、増やす、といったステージから、人生を謳歌するステージに移行していきます。
同時に、それまで増やした自分の資産を、できるだけ減らさないように、減らしていくのであれば計画的に、取り崩していく必要があります。
お金を貯めて、増やすステージでは、ある程度のリスクは許してきたともいますが、このステップに入ると、できるだけリスクを押さえて、安定的思考にシフトしなければいけません。
自由な時間が増えた分、自分のお金の管理に使える時間も、増やすことができます。
投資に学びはずっと続きますが、金融危機も味方につける力がつけば、更に明るい人生が待っていると言えるでしょう。
まとめ
FIRE達成までのステップを解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
FIREに向けて動き出すには、投資の勉強も必須となりますが、まずは自分の現状を見つめることがとても重要です。
ただ単に自由な時間を手に入れても、その時間で情熱をこめてやる何か、がないと本末転倒になってしまうからです。
私たちの将来は、これからますます不安定で、先が見えないものかもしれませんが、だからこそ、自分の考えをしっかり持ち、進む力を養いたいものです。
※当記事は情報の提供を目的としており、投資などの行動を誘導する目的で公開しておりません。また、当記事の記載内容に関するご質問には、一切お答え致しかねますので、ご了承お願い致します。
※当記事は情報の提供を目的としており、投資などの行動を誘導する目的で公開しておりません。また、当記事の記載内容に関するご質問には、一切お答え致しかねますので、ご了承お願い致します。
ライター馬込 八寛
生命保険、損害保険業界を約15年経験した後、お客様にとって最適な金融商品を提供するため、IFA(独立系金融アドバイザー)へ転身。「資産を1円でも多く増やすためのアイデア」を一人でも多くの人へ伝えるために、日々奔走。来年から始まる高校での授業「投資教育」にて教壇に立つことを目指している。
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