サラリーマンの方で、自分が納める税金を「1円でも安くしたい!」と考える人はどれくらいいるでしょうか?
年に一度税金について触れる機会は、年末調整の時期になりますが、実際に税金が安くなっているのか?実感がわかない人も多いと思います。
日本では累進課税という、お給料の金額に応じて、納める税金の金額も変わるという制度で、国に納税しています。
そんな中、特に高所得者へは高い税率がかかるため、どうにかして納める税金を少なくできないか、知恵を絞る人も多いようです。
そんなサラリーマンの方へ、誰でもできるお得な方法をご紹介していきます。
普段あまり考えることのない、税金の知識としても、ぜひ参考にしてみましょう。
サラリーマンと税金
サラリーマンには、給与所得控除という、事業主にとっての必要経費のような、給与から差し引けるお金が存在します。
実際にこの「所得控除」は15種類あり、人に対する控除については、
「障害者控除」「寡婦・寡夫控除」「ひとり親控除」「勤労学生控除」「配偶者控除」「配偶者特別控除」「扶養控除」「基礎控除」
の8種類、
ものに対する控除については、
「雑損控除」「医療費控除」「社会保険料控除」「小規模企業共済等掛金控除」「生命保険料控除」「地震保険料控除」「寄付金控除」
の7種類あります。
日本の課税制度は、累進課税制度といって、所得が多いほど税金が高くなるというものです。
ただ、このような控除があるのは、所得だけでなく、その家庭の状況なども考慮するという、配慮から設けられているといえます。
生命保険料控除など、なじみがあるものもありますが、意外と知られていないものもあるでしょう。
サラリーマンにとっても、使える控除は使ったうえで、納得のいく納税をすることが大切です。
誰でもできる3つの税金優遇
先にお伝えした所得控除のうち、いくつかの控除は年末調整にて適用しています。
基本的には、会社の事務スタッフ等に頼むでしょうから、自分が知らないところで適応されていることが、ほとんどだと思います。
ここでは、誰でもできる2つの控除と、1つの税金の優遇を受けることができる制度をご紹介しましょう。
使わないともったいないのが、控除ですのでしっかり学んでいきましょう。
ふるさと納税
2015年から、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が創設され、さらに利用する人が増えているのが、「ふるさと納税」ですが、じつはこれは「寄付金控除」を使える制度です。
ふるさと納税の税額控除は、「寄付金額-自己負担2,000円」で計算でき、この金額が寄付金控除として活用できます。
一時期このふるさと納税は、「所得税の還付が受けられる」「翌年の住民税が減額される」という風に、節税と勘違いされていましたが、実は、寄付をした自治体に一部納税先が変わったということにすぎません。
ただ、寄付金控除が受けられることと、自己負担2000円で、寄付をした自治体から高額な返礼品がもらえることは、とても大きなメリットでしょう。
気を付けておくこととは、返礼品と一緒に送ってくる「寄付金証明書」は、確定申告の際に必要になりますので、しっかり保管しておきましょう。
また、寄付金控除には上限がありますので、それを超えると控除の対象にはならないので、しっかり計算しておくことが必要です。
iDeCo
「貯蓄から運用」と国が掲げるスローガンはご存じでしょうか?
いま日本では、運用をする人にとってはうれしい制度がいくつかあります。
iDeCoは、「個人型確定拠出年金」といって、自分の年金を作る一つの方法です。
これまでは、定期預金などでお金を貯める人が多くいましたが、この低金利で、預けていても増えないこともあり、iDeCoを活用する人が増えています。
しかも、この毎月の掛け金が「小規模企業共済等掛金控除」の対象となり、所得税の控除に使えるため、さらにメリットが多くなります。
運用による利回りも期待できますが、この控除が60歳まで受けられることは、さらに効率よくお金を増やすことができます。
月額5,000円から始めることができますが、職業などによって、月々の金額に上限があります。
また、60歳まで払い出しができない点に注意して、始めることをお勧めします。
NISA
最後にもう一つ、先に挙げた15種類の控除ではありませんが、国が行う税金優遇の制度を使える、NISAの制度をご紹介しましょう。
NISAは、平成26年から始まった「少額投資非課税制度」の愛称で、商品の名前ではありません。
投資による運用で、得た利益が非課税になりますという制度です。
投資信託などで、お金を運用する場合、一般的には増えた金額に対して、20.315%の税金がかかります。
しかし、このNISAを使うことで、この税金をかからなくすることができます。
今では、活用の方法によって、NISA、ジュニアNISA、つみたてNISAの3種類があります。
NISAは、日本に住む20歳以上の人が対象です。
毎年120万円の非課税枠が設けられ、活用できる期間は5年間となります。
ジュニアNISAは、日本に住む0歳から19歳までの方が対象です。
毎年80万円の非課税が設けられていますが、この制度は2023年度で廃止になる予定です。
18歳までの払い出し制限などがありましたが、この制度改定によりなくなることで、今申し込みが殺到しているようです。
つみたてNISAは、日本に住む20歳以上の方が対象です。
しかし、先ほどのNISAとの併用はできません。
毎年40万円が上限になり、最長20年間活用できますので、先にお伝えしたiDeCoなどと併用して、活用する人も増えています。
まとめ
日本という国は、実は、私たちにいろいろな優遇制度を準備しています。
毎日の生活の中で、このような制度を学んで、活用することはとても大切です。
一生懸命働いたお金を、適正な金額で納税するために、もれなく使うことをお勧めします。
さらに、国が勧めている運用については、特に優遇制度がありますので、使わない手はないかと思います。
100年時代といわれる世界を生き抜くためには、お金にまつわる制度を活用し、準備をしていくことが大きなポイントです。
ぜひこの機会に、自分にできる制度は何か、をチェックしてみることをお勧めします。
※当記事は情報の提供を目的としており、投資などの行動を誘導する目的で公開しておりません。また、当記事の記載内容に関するご質問には、一切お答え致しかねますので、ご了承お願い致します。
ライター馬込 八寛
生命保険、損害保険業界を約15年経験した後、お客様にとって最適な金融商品を提供するため、IFA(独立系金融アドバイザー)へ転身。「資産を1円でも多く増やすためのアイデア」を一人でも多くの人へ伝えるために、日々奔走。来年から始まる高校での授業「投資教育」にて教壇に立つことを目指している。
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