果たしてインデックス運用が正解か?投資本来の意味を考えてみよう

果たしてインデックス運用が正解か?投資本来の意味を考えてみよう金融・投資

これから投資を始める人にとって、「何に投資したらいいのか?」は、まず最初に悩むテーマでしょう。

そこでとても参考になるのが、運用の仕方による考え方で、

「インデックス投資」「アクティブ投資」

という2つの手法です。

運用についての情報は、様々な媒体において入手が可能ですが、最近では、

「インデックス投資」

を勧めるコメントが多くあるように思えます。

これから投資を始めるにあたって、また、自分なりの投資の考え方を深めるためにも、「インデックス運用」「アクティブ運用」を通して、投資に対する理解を深めていきましょう。

インデックス運用とは?

インデックス運用をより深く知るために、そのベンチマークとなる「指数」について、少しおさらいしましょう。

日本において代表的な指数は、

「日経平均株価」「東証株価指数(TOPIX)」

の2つがあります。

「日経平均株価」は、東京証券取引所第一部上場銘柄の内、市場を代表する225銘柄を対象とした、相場全体の流れを表す株価指標です。

225銘柄の株価の単純平均をベースに、新株持ち分の修正を加えた株価となっています。

東京証券取引所に上場している銘柄、約4000銘柄あるうち、225銘柄に絞っているため、株価が高い銘柄の影響を大きく受けます。

なんと、上位10銘柄で日経平均に占めるウエイトが、約40%にも及びます。

もう1つの指数である「TOPIX」は、東証一部上場全銘柄を対象に、毎日の時価総額を、基準日の時価総額で割って毎日算出するものです。

基準日とは、1968年1月4日の時価総額、8兆6,020億5,695万1,154円を100として、毎日の時価総額を指標として算出します。

日経平均と異なり、東証一部上場全銘柄が対象になること、時価総額合計を計算対象にしていることで、時価総額の大きい銘柄に影響されます。

インデクス運用とは、「日経平均株価」「TOPIX」といった市場の動きを示す指数と、同じ値動きを目指して運用する方法を言います。

最近よく聞く、「S&P500」は、アメリカの代表的な500銘柄の時価総額をもとに算出したもの、「NYダウ」は、ニューヨーク証券取引所やナスダック市場に上場しているアメリカの代表的な30銘柄をもとに算出している指数です。

インデックス運用は、投資初心者でも始めやすい投資といわれますが、その理由は、

「銘柄選びに手間がかからない」
「少額から始められる」
「手数料が安い」

の3つがあげられます。

先ほどお伝えした、日経平均株価やTOPIXの値動きに、連動する投資方法ですので、

「1つの銘柄に偏ることなく分散投資できること」「長期的視点で見ると株価は上がっていること」

から、知識がない初心者でも、あまり深く考えることなく、投資する銘柄を選択できるといえます。

また、インデックス投資は最小100円から始めることができることも特徴です。

個別株へ投資する場合は、通常100株単位からの取引ですので、最初のとりかかりとしては、数万円以上の資金が必要になり、初心者へはハードルが高いようです。

そして、運用するコストが少ないことも、多くの初心者に人気がある理由です。

投資信託にかかる費用の内、資金を運用するファンドマネージャーに対して、信託報酬を支払う必要がありますが、インデックス投資の場合、信託報酬が安いという特徴があります。

このように、あまり投資経験がない初心者にも、始めやすい環境が整っているのが、インデックス投資といえます。

では、それに対してアクティブ運用とは、どのような違いがあるのでしょうか。

アクティブ運用との違いを、ご紹介していきましょう。

アクティブ運用との違い

インデックス運用とアクティブ運用の決定的な違いは、

「数値を上回る投資成果を目指すこと」

にあります。

最近では、アクティブ運用といいながら、指数を上回る投資成果を目指さないものもあり、投資家が困惑するケースも増えているようです。

ここでは、純粋に数値を上回る成果を目指す運用を、アクティブ運用として解説しますが、運用会社の徹底した企業のリサーチや、自社の運用理念を貫く運用姿勢で、ベンチマークを大きく上回る成果を上げる銘柄も、確かに存在します。

インデックス運用と異なり、大きな運用益が見込まれる可能性がある反面、大きなリスクも伴ったり、運用にかかるコストが高い点が、デメリットとして捉えられますが、その運用実績の大きさを考えると、必要経費として当たり前という考え方もあります。

反対に、指数を上回る運用成果を目指す反面、指数よりも大きく下がることないように、制御するという特徴は意外と知られてない点です。

このように、インデックス運用とは、全く異なる運用方針であることが、よくわかると思います。

アクティブ運用による投資は、ただ単に投資をする銘柄選びの手法というよりも、投資に対する自分の理念はどういうものか?それが、運用会社の理念とあっているのかまで、考えて投資したい人にはおすすめの手法といえます。

インデックス運用のデメリット

そもそも投資の本質を考えると、自分のお金をどういう企業に役立ててもらうか、ということになります。

お金を増やす道具として、投資を考える人も多いですが、そう考える人にとっても、投資する企業の将来が明るくないと、お金が増える可能性も大きいとは言えません。

要は、投資する企業が成長を続けない限り、大きなリターンを得ることはできません。

最近注目されるESG投資は、環境、社会、ガバナンス(企業統治)といった、企業の将来性や持続性を分析し、投資先として適切かどうかを判断する投資方法です。

ただ単にその企業が、

「儲かっている」「財務状況が良い」

といった点を評価するのに加え、

「環境問題の改善への取り組み」
「地域社会への貢献」
「従業員への配慮」
「法令順守の企業活動」

などなど、ESGの課題に向き合っているかも含めて、評価されるようになります。

そう考えると、インデックス運用のように、市場全体に投資を行うという投資方法は、ESG投資の観点で果たして良いのか?という考え方も出てきます。

なぜなら、市場全体へ投資することは、ただ儲かっているだけで、ESGの課題に反する企業へも投資しているといえるからです。

自分の投じたお金が、社会の進むべき方向と真逆の方向へ向かっているとしたら、それは投資するべきかどうか、再度考える必要があるように思えます。

まとめ

今や多くのメディアで、投資の手法や、お勧めの銘柄などの情報が溢れています。

影響力が大きい方がお勧めする投資手法が、決して正解ではありません。

自分自身の投資に対する理念をしっかり持ち、判断できる基準を持っているということが、自分の大切なお金を投じることを考えると、とても大切だといえます。

投資を通じて自分は何をしたいのか、ちょっと考えてみると、また違った投資の楽しみを味わえるかもしれません。

※当記事は情報の提供を目的としており、投資などの行動を誘導する目的で公開しておりません。また、当記事の記載内容に関するご質問には、一切お答え致しかねますので、ご了承お願い致します。

ライター馬込 八寛

生命保険、損害保険業界を約15年経験した後、お客様にとって最適な金融商品を提供するため、IFA(独立系金融アドバイザー)へ転身。「資産を1円でも多く増やすためのアイデア」を一人でも多くの人へ伝えるために、日々奔走。来年から始まる高校での授業「投資教育」にて教壇に立つことを目指している。

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