NISA つみたてNISA どっち?

NISA つみたてNISA どっち?金融・投資

「貯蓄から投資へ」

国が掲げるスローガンだが、少しずつ私たちの生活に浸透してきました。

いろいろな媒体を通じて、NISAやつみたてNISAなどのキーワードが、飛び交うようになっていることが、その証拠ではないでしょうか?

しかし、まだまだ「投資」については、その不透明性などもあり、なかなか積極的に取り組む人は少ないようです。

まず最初のとりかかりとして、その仕組みを知るということが大切です。

その一つとして、NISAとつみたてNISAはどっちがいいのか?について、まとめてみました。

これから投資をしてみようと考えている人は、これらの制度を使わない手はありません。

自分に合っているものはどちらか、判断基準として参考にしてみてください。

NISAとつみたてNISAの違い

結論から言いますと、NISAとつみたてNISAのどちらがいいかは、その人それぞれです。

無責任な言い方かもしれませんが、投資をするうえで重要なことは、自分の知識や経験、保有している資産額、信頼できるアドバイザーがいるかどうか、など総合的に判断して行うことです。

ですので、どちらがいいと決めてしまうのではなく、「自分に合っているのはどちらか」の判断基準を持つことが大切です。

また、今はいろいろな媒体を通じて、投資経験者の投資哲学を知ることができます。自分の判断基準を確立するためにも、参考にするといいでしょう。

ただ一つ、ほとんどの投資経験者が言っていることは、投資を始めようと決めたら、1日でも早く始めることです。

投資の神様である、ウォーレンバフェットも言うように、まずスタートしてみること、そして学びながら続けることが、とても大切です。

NISAとつみたてNISAの違いで、特に大きな違いは1つです。

それは、投資できる対象の金融商品です。

NISAを活用して、投資できる対象商品は、国内、国外の上場株式などの個別株、株式投資信託になり、その数も非常に多くあります。

一方、つみたてNISAは、一定の条件によって選ばれた、株式投資信託、上場株式投資信託(RTF)です。

2021年6月現在、つみたてNISAの商品の中で、指定インデックス投資信託が173本、アクティブ運用投資信託が19本、上場株式投資信託(ETF)は7本です。

これらの商品をタイプごとに分けると、インデックス運用商品と、アクティブ運用商品に分けることができます。

インデックス運用とは、目安となる指数に連動した運用スタイルで、日本であれば、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)に連動することになります。

投資先の国や地域、市場とともに、資産が成長していくため、資産もそれに応じて上下することにになります。

それとは逆に、プロの力量で運用する会社を選別し、インデックスの指数を上回る運用を目指すのが、アクティブ運用になります。

NISAとつみたてNISAで大きく異なるのが、このアクティブ運用の商品の数です。

アクティブ運用は、より積極的に投資をしたい、リスクはあるが大きなリターンを得たい、という考えの人に向いているといえます。

自分の運用に対する姿勢をどう考えるかが、NISA、つみたてNISAを選択する、大きな判断基準となります。

NISAに向いている人

NISAに向いている人は、一年間に使える非課税の金額が大きいこと、また、選択できる投資信託の種類が多いことから、

「まとまった預貯金がある人」
「アクティブな運用をしたい人」

にお勧めだといえます。

アクティブ運用と聞くと、大きく利益が出る可能性もありますが、反対に、大きく損失を受ける可能性もあることから、初心者向けではないという意見もあります。

もしそういう不安がある方は、「ロールオーバー」という制度を知っておくといいでしょう。

NISAには、5年間の非課税期間があります。

その非課税期間が終わった後の、投資した資産の取り扱いは2つの選択肢があります。

1つは、課税口座へ移管すること。

特に手続きをしない場合は、非課税期間が終わると、特定口座を持っている場合は、特定預かり口座に移管されます。

特定預かりもしくは一般預かりへ移管する場合、取得価格は非課税期間満了時の最終営業日時点の時価となります。

もう1つの選択肢として、非課税期間の延長をすることができます。

その条件として、同一の証券会社に開設するNISA口座内で行うこと、そして、所定の手続きを行うことです。

ロールオーバーでは、翌年非課税投資枠の上限が、120万円を超えていても、全額ロールオーバーできます。

ただし、120万円を超える金額をした場合は、その年の非課税投資枠は利用できません。

120万円を超えない金額をロールオーバーした場合は、残額を利用することができます。

このロールオーバーを知っておくことで、万が一損失を出している場合でも、利益が出るまで待っておくという選択肢ができます。

より積極的な運用をしたい人は、こういったリスクヘッジの手段を知ることがとても大切です。

つみたてNISAに向いている人

つみたてNISAに向いている人は、NISAとはことなり、あまり預貯金はないが、コツコツと投資したい人、また、投資するにあたって、投資すべき銘柄を、決めることができない人にお勧めです。

投資方法は、NISAと違って積立のみとなっています。

また、手数料も安く低リスクの商品に限られているため、あまり難しいことは考えず、低リスクで長期的に投資したい人は、つみたてNISAを選択するといいでしょう。

まとめ

投資に対して、どのような姿勢で臨むべきか、これこそがNISA、つみたてNISAを選ぶうえで、一番大切なことです。

しかしこの制度はそもそも、投資によって得た利益にかかる税金を、一定期間免除する制度です。

運用は始めたけれど、あまり利益が出ないとなると、この制度を使う意味がありません。

どのような商品だと利益が出やすいのか、自分で選んだらいいのか、アドバイザーに聞いた方がいいのか、良いアドバイザーはどう見極めればいいのか、次の課題が出てきそうですね。

※当記事は情報の提供を目的としており、投資などの行動を誘導する目的で公開しておりません。また、当記事の記載内容に関するご質問には、一切お答え致しかねますので、ご了承お願い致します。

ライター馬込 八寛

生命保険、損害保険業界を約15年経験した後、お客様にとって最適な金融商品を提供するため、IFA(独立系金融アドバイザー)へ転身。「資産を1円でも多く増やすためのアイデア」を一人でも多くの人へ伝えるために、日々奔走。来年から始まる高校での授業「投資教育」にて教壇に立つことを目指している。

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