日本が、欧米各国と比較して、金融リテラシーが低いということは、お金の知識や投資に関するランキングで、最下位に位置していることでも明らかです。
こうした金融リテラシーが低いことで、欧米各国との差が大きく出ているのが、家計内における金融商品の内訳です。
「投資はギャンブル」
「現金が安全」
など、間違った認識を持つ人もまだまだ多い日本において、正しい金融リテラシーを学ぶことは、実勢100年時代を生きる私たちにとっては、とても大切なことだといえます。
金融リテラシーは、すぐに高まることはありませんが、今回の記事などを通して、学ぶきっかけとして、参考にしてもらえると嬉しいです。
金融リテラシ―を高めるメリット
私たち日本人は、お金の話、特に、お金を増やす方法などを避ける傾向があります。
ですが、お金の話は生きていく上では、どうしても必要なことです。
そのお金にまつわる知識、金融リテラシーとは、お金と仲良く付き合うために身につける、知識やスキルといえます。
世の中には、「知らなくても生きていけるけれども、知っているとより充実した人生が送れる知識やスキル」がありますが、この金融リテラシーもその一つだといえます。
お金には困っていないという方にも、なかなかお金が貯まらないという方にも、金融リテラシ―は必要です。
金融リテラシーを学ぶと、どういったメリットがあるのか、まずはそれを紹介しましょう。
自分の人生設計に役に立つ
アメリカでは、
10歳相当で、
「投資をする理由を説明しよう」
「複利で得られる利益を計算しよう」
といった学習をするといわれます。
さらには、18歳相当時期に学ぶ事項として、
「投資を遅らせたときの、退職後の結果と、早くから投資したときの利得の比較」
といったことまであるといわれます。
日本ではまず考えられないことですが、こういうことを行う理由は、自立して生きる力を育むことに、その目的が置かれているといえます。
これは、お金に関する教育とも言えますが、人生設計を学ぶ教育とも言えるでしょう。
この幼いころからの教育が、社会に出るころには、クレジットカードの使い方であったり、投資商品を自分で選ぶ力になったり、より良いリタイアに向けたキャリアの作り方に、結びついてくるのでしょう。
これを学んだからと言って、すべての人が人生を成功させることができる、というわけではないでしょうが、自分の人生を自分で切り開いていく、その基盤にはなるでしょう。
そういう意味においては、金融リテラシーを身につけることは、自分の人生設計において、きっと役立つ知識になります。
そしてその教育は、できるだけ早くから始めるべきでしょう。
お金に関する被害を避けるのに役立つ
金融リテラシーを身につけるべき、理由のもう一つに、お金に関する被害を防ぐためというものもあります。
金銭トラブルの種類は実にたくさんありますが、年々増えているような気がするのが、金融商品の詐欺事件です。
実際に、消費者庁に寄せられる金融トラブルに関する相談は、年々増加しているようです。
その手口も年々巧妙になり、ネットを使った特殊詐欺事件も多く、2020年には新型コロナウイルスに関連した、詐欺事件も発生しているくらいです。
このような特殊詐欺事件に対しては、警察も対策を講じてはいるようですが、最終的に重要になるのは、金融リテラシーがどうかということになります。
正しい知識、判断力が養われていれば、特殊詐欺にあるリスクも最小限に抑えらるでしょう。
最低限身につけるべき金融リテラシー
金融リテラシーが低い日本人にとって、では、それを高めるにはどうしたらいいか?これは難しい問題かもしれません。
なぜなら、それを教えてくれる人が少ないからです。
実際に、金融庁のホームページを見てみるとわかりますが、「教材」として提供してはいますが、それを教える人がいないというのが現実です。
それでは、どうしたらいいのか?ですが、金融リテラシーを高めるには、1つは、興味をもって、自ら行動してみるとが大切だと思います。
欧米諸国のように、体系的に学べる環境はそう多くはありませんが、お金についての周辺知識、お金の増やし方、お金の守り方、などは、自ら調べればいくらでも情報はあります。
お金に関する勉強をすることは、なんとなく、
「がめつい」
「欲張り」
など、悪いイメージを持つ人もいるかもしれませんが、それ自体がとてもナンセンスです。
冒頭お伝えした、諸外国との金融リテラシーの差を埋めることは、そう簡単ではありませんが、お金についての学びは、できるだけ早くスタートすることが、とても大切です。
自ら情報を収集し、動いてみることで、視野が広くなることはもちろんですが、それだけ自分の人生を切り開くための、選択肢が増えるということにもつながります。
より良い人生を設計し、歩んでいくためにも、ぜひ自ら動いて、金融リテラシーを高めることをお勧めします。
まとめ
最後に、金融リテラシーを高めるために、最低限身につけることは、自ら関心をもって行動すること、とお伝えしましたが、自ら行動するとなると、優先順位がどんどん低くなって行くことが、考えられます。
そうならないためにはどうしたらいいか、それは、専門家を探してみるということです。
専門家を探すことができれば、その人に聞くことができます。
そのうえで、自ら行動することで、失敗も少なくなりますし、何より簡単です。
ライター馬込 八寛
生命保険、損害保険業界を約15年経験した後、お客様にとって最適な金融商品を提供するため、IFA(独立系金融アドバイザー)へ転身。「資産を1円でも多く増やすためのアイデア」を一人でも多くの人へ伝えるために、日々奔走。来年から始まる高校での授業「投資教育」にて教壇に立つことを目指している。
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