日本政府の税制優遇制度の効果もあり、日本においても、株式投資を始める人が増えているようです。
すでに始めてている人の声を聞くと、
「早く始めればよかった」
「世界情勢に敏感になった」
「今後も続けていきたい」
とポジティブな声が多い一方、
「投資は怖い」
「リスクを負いたくない」
「投資より貯金」
と、ネガティブな考えをぬぐえない人もいます。
この両者を分ける大きな理由は、やはり「リスク」に対する考え方です。
株式投資におけるリスクをもう一度確認し、そのリスクを軽減する唯一の方法と、それを証明するデータを紹介していきましょう。
豊かな将来を手に入れるためにも、投資と向き合うきっかけを持ってほしいと思います。
株式投資のリスクとは?
リスクの対処の仕方を知っているかどうかは、株式投資をするうえでは、とても大きなポイントとなります。
一般的な株式投資のリスクといえば、換金した際に、支払った金額を下回ってしまった場合の、「価格変動リスク」、投資をした会社が破綻した場合の、「信用リスク」が主なリスクといえるでしょう。
最近人気が出てきた外国株式であれば、さらに、換金した際の為替レートの変動による「為替変動リスク」
その国の政治、経済環境により価格変動などが起こりうる、「カントリーリスク」があります。
これらのリスクに対応すべく、
「銘柄や国を分散すること」
「一度に買わずに分けて買うこと」
「短期的でなく長期的な視点をもつこと」
という考え方は、基本的に言われていることです。
しかしこのようなことを心掛けて、投資を続けていても、まだ見ぬ先のことに対しては、誰しもが不安を感じることでしょう。
最終的には、複数人のアドバイザーに意見を聞いたり、自ら情報収集をして安心材料を探したり、投資の学びを続けていくことが、一番の対処法になるのかもしれません。
ただ、将来のことはわからないとはいえ、過去のデータをもとに、前向きに向き合える情報があることも事実です。
株式投資を始めたいけれど、あと少し後押しが欲しいという方へ、面白い考え方を紹介したいと思います。
元本毀損割合の比較
日本銀行が出している資料で、1980年から2020年までで、投資期間、投資対象ごとの、
「元本毀損割合の比較」
をまとめた資料は、これから株式投資をする人にとっては、安心材料の一つになりえるでしょう。
このデータは、長期投資がいかに、株式投資にリスクを軽減してくれるか、検証しているものですので、ぜひ参考にしてみてください。
まず、1980年から2020年までの41年間、それぞれの平均収益率は、
国内株式が7.4%
外国株式が11.0%
これだけでも、定期預金の平均収益率である2%より、とても魅力的なことがわかります。
しかし、元本を割るということに、とても恐怖感を持つ日本人にとっては、
「どうしたら元本を割らないようになるのか」
という実績が大切になってきます。
それぞれの元本を毀損した割合をみると、どの資産でも、投資期間が長いほど、元本の毀損割合が、低いということが言えます。
しかし、日本株と外国株では差があります。
日本株では投資期間30年でも、元本を毀損した例が全体の9%あります。
一方、外国株では、投資期間が20年以上になると、元本を毀損した例はないと出ています。
日本株、日本債券、外国株、外国債券と、4つポートフォリオによる資産では、投資期間10年以上でも、元本を毀損した例はありません。
株式投資は、長期的な視点で行うことが、絶対条件であることは言うまでもありませんが、どの銘柄を買うかについては、このデータが示すことを参考にすべきでしょう。
リスクが少ない株式投資のポイント
先ほどご紹介したデータを参考に、あなたが株式投資を始めるにあたって、何を基準に考えていくべきでしょうか?
ポイントは、株式投資においては、少なくとも、20年程度の運用期間を想定することでしょう。
さらにもう1つは、日本株、外国株、4資産ポートフォリオの比較でわかるように、日本株だけの投資よりも、よりグローバルな視点で投資すべきという点です。
私日本人にとっては、少々耳が痛い話かもしれませんが、自分の資産を上手に増やすためには、広い視野で考えていくべきでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
もっと深く、先ほどご紹介したデータを見ると、これまで安心と思われていた定期預金が、今後の物価上昇を考えると、逆にマイナスになってしまう可能性も、無視できないといえます。
日本を含む世界経済は、どんどん成長していきます。
この世界の成長に、私たちは大いに期待し、自分の資産を働かせる正しい方法を、身につけたいものです。
ライター馬込 八寛
生命保険、損害保険業界を約15年経験した後、お客様にとって最適な金融商品を提供するため、IFA(独立系金融アドバイザー)へ転身。「資産を1円でも多く増やすためのアイデア」を一人でも多くの人へ伝えるために、日々奔走。来年から始まる高校での授業「投資教育」にて教壇に立つことを目指している。
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