外貨建保険は今が旬?実は保険が資産運用に向かない2つの理由

外貨建保険は今が旬?実は保険が資産運用に向かない2つの理由金融・投資

2022年7月現在、為替市場は1ドル135円台後半。24年ぶりの円安ドル高水準を更新しました。

同時に、アメリカ国債の利上げも影響し、外貨建て生命保険商品を、勧誘されているという相談が増えてきました。

「利率が上がったので、今加入するとお得」
「この利率は、ずっと変わりませんので」

一方、これまで加入していた方からは、

「月々の保険料が上がってしまい、支払いがきつい」
「保険料の変動があると先々不安」

という声も聞きます。

本当に、今外貨建て保険に加入すべきか、そもそも資産運用に向いているのか、仕組みやデメリットまで、チェックしていきましょう。

保険で資産運用は可能か?

過去の記事でもお伝えしていますが、資産運用と保障は、別々に準備した方が効率がいいといえます。

なぜならば、保険会社に払うコストが、ブラックボックスになっていて、不明瞭だという点です。

あたりまえですが、保険商品はあくまでも保険ですので、保険化する分のコストが、割高になっていると考えられます。

保険の販売資料を見てみるとわかりますが、どのようなコストがいくらかかっているかは、契約者が判別できないようになっているのです。

資産運用における分散という考え方のうち、金融資産を外貨で持っておくという場合は、そもそも外国債券を持っていればいいですし、何もそれに保険を付ける必要はないでしょう。

外貨建ての仕組みについて、詳しく見ていきましょう。

外貨建て保険の仕組み

一般的な生命保険は、日本円で保険料を支払い、保険金や解約返戻金なども、日本円で受け取ります。

これは、ごくごく当たり前のことですが、この外貨建て保険は、ちょっと仕組みが異なります。

外貨建て保険は、外貨で保険料を支払い、外貨で保険金や解約返戻金を受け取ります。

通貨は様々で、米ドル、豪ドル、ユーロ、ニュージーランドドル、保険の種類も、定期保険、終身保険、養老保険など様々です。

どうして、この保険が資産運用に使われるのかというと、その理由は利率の高さにあります。

日本は超低金利時代が続いていることもあり、円建ての保険の利率は、0.2%~0.3%程度がほとんどです。

一方外貨建ての保険の利率は、1.0%~4.0%程のものまであります。

この利率の違いで、外貨建て保険は円建て保険に比べると、保障を安く買え、積立利率が高いという設定になっています。

外貨建て保険のデメリット

冒頭でもあったように、お客様からの相談が増えている、この外貨建て保険ですが、どういう理由でおすすめできないかを解説します。

まず資産運用として、外貨建て保険をお勧めできない理由は、保険コストがかかっている点です。

そもそも、死亡保険が必要でない方もいるでしょう。

そういう方は、シンプルに外国国債を購入した方が、いいのではないでしょうか。

利率に関しても、今は高いと言っても、保険コストを考えると、本来の外国国債を買った方がいいでしょう。

次に、保障として外貨建て保険を考える場合です。

保障については、貯蓄部分を切り離して考える方が効率的でしょう。

保険には貯蓄部分がない、掛け捨て型の保険というものがありますので、保障はそういうもので買っていく方がいいです。

外貨建て保険で、貯蓄と保障を一本化して持つと、なんとなくいいように思いますが、保障と外国国債を分けて考えると、より効率的に、保障と資産運用が可能になるということも、知っておくべきでしょう。

まとめ

外貨建て保険は、為替相場の影響をとても受けるため、一般的な保険とは少し理解が難しいものになります。

しっかりと説明を聞き、特徴を確認したうえで、買うかどうかの判断をするといいでしょう。

いずれにしても、株式か国債かといった金融資産の性質や、コストはどれくらいかかるのか?といった基本的なことを考えると、資産運用においては、保障と分けて考えるということを、念頭に置いた方がよさそうです。

ライター馬込 八寛

生命保険、損害保険業界を約15年経験した後、お客様にとって最適な金融商品を提供するため、IFA(独立系金融アドバイザー)へ転身。「資産を1円でも多く増やすためのアイデア」を一人でも多くの人へ伝えるために、日々奔走。来年から始まる高校での授業「投資教育」にて教壇に立つことを目指している。

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