自分に合った投資額とは?比較でなく参考になる2つの考え方を紹介!

自分に合った投資額とは?比較でなく参考になる2つの考え方を紹介!金融・投資

「銀行に貯蓄していても、金利がつかないから投資を始めたい」
「投資したいけれど、貯蓄と投資の割合は?」

近年、投資の話題が少しずつ増えてきて、このようなことを考えている人も、多いのではないでしょうか?

結論から言いますと、貯蓄と投資の割合を決める際に、明確なルールは存在しません。

逆に、私たち日本人の悪い習性で、「周りの人と同じように」という考え方で、資産運用すると、せっかくの運用機会を逃してしまう、ということにもなりかねません。

では、どのようにして考えるといいのか、いくつかのデータを踏まえて、解説していきましょう。

代別の貯金と投資の割合

貯蓄と投資に割合に、決まったルールはありませんと、冒頭お伝えしましたが、念のため統計の数字をお伝えしておきましょう。

■年代別の単身世帯の預貯金と投資額
30代 預貯金400万円 投資額206万円
40代 預貯金300万円 投資額518万円
50代 預貯金486万円 投資額581万円
60代 預貯金716万円 投資額1142万円

■2人以上世帯の預貯金と投資額
30代 預貯金380万円 投資額372万円
40代 預貯金406万円 投資額510万円
50代 預貯金577万円 投資額809万円
60代 預貯金997万円 投資額1430万円

こういった統計の数字は、あくまでも参考にするだけに留めておき、実際は、人それぞれの状況で、貯金と投資の割合は変わります。

投資家が実践している貯金と投資の割合とは

実際に、資産運用を積極的に行っている人は、どれくらいの割合を投資に回しているのでしょうか?

やはりそれぞれの環境で、割合はそれぞれですが、ある指標を参考にしているようです。

それは、エイジスライド方式という指標です。

これは、「120 ― 年齢 = 投資する資産の割合」で表すことができます。

投資する人の年齢に応じて、資産の中のどれくらいを投資に回した方がいいか、判断する際に使われることが多いです。

例えば、40歳の人は、

「120 - 40 = 80」

今まで貯金していたものの80%は、投資に回してもいいという考え方です。

こう考えると、結構多い割合だなと感じる人も多いでしょう。

では、どうして資産運用をしている人は、これだけ多くのお金を、資産運用に回すことができるのでしょうか?

資産運用を積極的に行っている人は、その方が将来豊かになるということを、色々な情報に触れることで、知っていますし、信じて行動している人が多いです。

そんな情報の一つに、日本銀行が公表している、「循環資金の日米欧比較」というものがあります。

これは、「日米欧の家計の金融資産が20年でどれくらい増えたのか?」を、検証しているデータです。

このデータによると、アメリカ人は日本人の3倍、資産を増やしていることがわかります。

そしてその理由は、金融資産の半分以上を資産運用に回している、ということもわかります。

一方日本人は、金融資産の半分以上が現金預金となり、資産運用へは10%程度という結果です。

こういった過去のデータを見ると、資産運用にお金を回す場合、回さない場合の将来の差がはっきりわかります。

資産運用を積極的に行う人は、今すぐお金を増やすことではなく、20年後30年後を見据えたうえで、今何をすべきかを考えて行っています。

また、日本を含めた世界中のモノの値段は、今だけでなく、昔から上がっていることを知っています。

モノの値段が上がると、現金や預貯金の価値が下がります。

インフレに一番弱い資産が、現金ということを知っているため、極力資産を運用して、対策を講じているということになります。

お金はすぐには増えません。

だからこそ、できる範囲で1円でも多く、投資することが大切になってきます。

自分にあった投資額とは?

他人の貯金と投資の割合は、自分の投資額には全く関係ありません。

ただ、「自分に合った投資額はいくらか?」それを決めるためのポイントはあります。

このポイントについて解説していきます。

1つは、急な出費、万が一の時に、現金で持っておくべきお金を確保しておくことです。

投資にどれだけのお金を回すことができるか、多ければ多いほうがいい、と考える方もいると思いますが、何が起きるかわからないのが人生です。

「生活防衛資金」と言われますが、万が一の事態に備えておくお金です。

急なケガや病気、災害に遭うなどということは、予測不可能です。

おおよそ、生活費の3か月分から、6か月分といわれますが、それにとらわれず、金額は決めていいと思います。

2つ目は、近い将来に使うお金を確保することです。

数年以内に起こりうる、家電の買い替え費用、出産費用、車の買い替え費用、結婚資金、教育資金は、それにあたるお金になります。

こういうライフイベントは、それぞれ違いますので、自分はどれくらい必要か、計算するといいでしょう。

これら2つの資金は、すぐに使えるお金として確保し、それで余ったお金を投資に使いましょう。

自分事として考えることで、自分の人生について、考える機会にもなると思います。

まとめ

他人の貯蓄額、投資額は、自分の投資をどうしていくかには、全く関係のないことです。

自分の将来をどう生きたいのか、そのために、今どう行動すべきか、参考になる考え方を、自分事として置き換えて考えるべきです。

そうすることで、しっかりとした自分なりの投資方針も、作られていくのだと思います。

ライター馬込 八寛

生命保険、損害保険業界を約15年経験した後、お客様にとって最適な金融商品を提供するため、IFA(独立系金融アドバイザー)へ転身。「資産を1円でも多く増やすためのアイデア」を一人でも多くの人へ伝えるために、日々奔走。来年から始まる高校での授業「投資教育」にて教壇に立つことを目指している。

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